阿部サダヲ:清盛の師・信西役「不思議な面白さがある」 迫力の海上ロケにビックリ 

大河ドラマ「平清盛」に信西(高階通憲)役として出演する阿部サダヲさん
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大河ドラマ「平清盛」に信西(高階通憲)役として出演する阿部サダヲさん

 NHK大河ドラマ「平清盛」の12日放送の第6回「西海の海賊王」で、全長約22メートルの船を用いた大規模な海上ロケによって撮影された戦闘シーンが放送される。放送を前に、撮影に参加した阿部サダヲさんに第6回の見どころや自身が演じる信西(高階通憲)について話を聞いた。(毎日新聞デジタル)

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 ドラマは、武士が貴族たちから差別されていた時代、武士の新興勢力・平氏の元で育てられた少年が、瀬戸内海の海賊を束ねて“武士の王”となり、貿易こそがこの国が豊かになる道だと人々に説く……という物語。平清盛(松山ケンイチさん)は白河法皇(伊東四朗さん)の“落胤(らくいん)”で、忠盛(中井貴一さん)が養子にしたという設定で描かれる。阿部さん演じる信西は、清盛に交易を説き、さまざまな改革を断行する時代の先駆者。中流貴族出身だが、上流貴族に堂々と意見を述べ、高い政治的理想を持っているが、ドラマの序盤では烏帽子(えぼし)が折れていたり、汚れた着物を身につけて登場するなど少しコミカルな人物として描かれている。

 12日放送の第6回では、架空のキャラクターで海賊の兎丸(加藤浩次さん)と清盛らが瀬戸内海で激突し、信西も戦闘シーンに登場する。阿部さんは「とにかく大がかりでびっくりしました。忠盛が『パイレーツ・オブ・カリビアン』みたいに登場したり、すごい迫力。初回で話題(井戸敏三・兵庫県知事が『画面が汚い』などと発言したこと)になりましたが、(役者は)みんな汚れていましたね」と撮影を振り返る。しかし、信西は戦闘シーンに登場するものの、縄で縛られていて、戦闘には参加しない。阿部さんは「参加したいと思っていたのですが……。信西は馬に乗ったり、刀を持って戦う武士とは真逆ですから……」と少し寂しそうにしながら「戦う役はいつかできるかもしれないけど、信西みたいな役はなかなかない。やっていて面白いですよ」と役への思い語る。

 阿部さんは、劇中の信西について「貴族なので、キレイ(な格好)だと想像していたけど、汚れていますね。貴族なんですけど“外回り”っていうイメージ。まじめなことを言うけど、コミカルに見えるときもある。この間、芥川賞をとった人(田中慎弥さん)とか、そういう不思議な面白さがありますよね」と話す。さらに、信西の考えを「時代の先端の人。現状を壊したい。民のために意見を言える社会にしたいということなんでしょうね。ただ、ずっとしゃべっていますから。国会で、ずっと『総理、総理』って言っているような感じですよね。煙たがられますよね」と分析する。

 また、阿部さんは、これからの信西の活躍について「今後、出家するし、もしかすると笑いは少なくなるかもしれません。先頭に立つ人ですからね。最近の撮影では、やっと烏帽子もピンとしてきましたし」と笑顔で語っていた。

 「平清盛」は総合テレビで毎週日曜午後8時に放送。第6回「西海の海賊王」は12日放送。(毎日新聞デジタル)

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