「第57回小学館漫画賞」の贈呈式が2日、東京都内で開かれ、「坂道のアポロン」の小玉ユキさん、「信長協奏曲(コンツェルト)」の石井あゆみさん、「イナズマイレブン」のやぶのてんやさん、「ぴんとこな」の嶋木あこさんの4部門の受賞者が表彰を受けた。緊張のあまりメモを間違えて取り出して会場を笑いの渦に巻き込んだやぶのさんは「イナズマイレブンに出会えたことは幸運だった」と振り返りながら、担当編集者やスタッフ、関係者に感謝の言葉を述べた。
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小学館漫画賞は1955年に創設。現在は児童、少年、少女、一般の4部門に分けて、毎年表彰している。今回は11年内に雑誌やコミックス、新聞などで発表されたマンガが対象で、審査委員は、マンガ家のあだち充さん、弘兼憲史さんらが担当した。
児童向け部門の「イナズマイレブン」は、コロコロコミックで連載中のサッカーマンガで、原作はゲームソフト開発会社「レベルファイブ」(福岡市中央区)の同名ゲームが原作。2年連続のノミネートで、控え選手の葛藤やトータルで人間の成長を描いている点が認められた。
少年向け部門の「信長協奏曲」(掲載誌ゲッサン)は、高校生が戦国時代にタイムスリップし、病弱な織田信長と入れ替わって天下統一を目指すという物語。信長の「うつけ」の内実を新しい解釈で示すなどの新手法に高い評価が集まった。
少女向け部門の「ぴんとこな」(同Cheese!)は、歌舞伎用語で「男らしく芯のある二枚目」という意味。歌舞伎の名門御曹司と才能でのし上がろうとする少年2人が、1人の少女をめぐって火花を散らすという物語。歌舞伎という素材を役者の日常まで含めて表現したことなどもあり、すんなりと受賞が決まった。
一般向け部門の「坂道のアポロン」(同フラワーズ)は、1960年代の九州を舞台に、転校生の秀才とやんちゃな少年がジャズの魅力に取り付かれるという青春ストーリーで、4月からテレビアニメが放送される予定。ジャズなどの要素や、若者の恋と友情の調和が「心地よい」と評価されて、受賞が決まった。(毎日新聞デジタル)
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