5人組女性アイドルグループ「ももいろクローバーZ(ももクロ)」の勢いが止まらない。2月にアルバム「バトル アンド ロマンス」がCDショップ大賞を受賞したのを皮切りに、今春には桃屋やロッテのテレビCMが決定。8月には西武ドームでのライブも予定されている。“社会現象”と化した「AKB48」に対し、「ももクロ」は“音楽好き”の支持を集めつつあり、市場が冷え込む中、目立つ存在に急浮上した。「Fairies(フェアリーズ)」「東京女子流」など“新興勢力”も頭角を現すなど拡大するアイドルシーンの今を追った。
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08年に結成された「ももクロ」は、百田夏菜子さん、高城れにさん、玉井詩織さん、佐々木彩夏さん、有安杏果さん、早見あかりさんの6人組グループとして10年5月にメジャーデビューし、11年4月、早見さんが脱退したのを機に「ももいろクローバー」から「ももいろクローバーZ」にグループ名を変更。“いま、会えるアイドル、週末ヒロイン”をキャッチフレーズに、週末にライブや撮影会などを中心に活動している。
「ももクロ」のライブは、10年は1000人規模の公演が中心だったが、11年12月にさいたまスーパーアリーナで行われた公演では約1万人を動員するなど、11年末ごろから人気が急上昇。4月21、22日に横浜アリーナ(横浜市港北区)で行われたライブでは約2万5000人を動員した。ライブで目を引くのは、「ヒャダイン」名義でも活動する前山田健一さんが手がける変拍子や転調を駆使したアッパーな楽曲に合わせたアクロバティックなダンス。「Z伝説~終わりなき革命~」では戦隊ヒーロー風のいでたちで登場したり、「労働讃歌」ではビジネスマン風スーツに身を包み、頭にネクタイを巻くなど奇抜な衣装で、激しいパフォーマンスを繰り出すのだ。
11年には、バンド「神聖かまってちゃん」「氣志團」とのコラボレーションライブや、リリー・フランキーさんが主催するロックイベント「ザンジバルナイト」、アニソンイベント「アニメロサマーライブ」など“異種格闘イベント”に積極的に参加し、アイドルファン以外に邦楽ロックファンなど“音楽好き”の支持を集め、そのパフォーマンスがメディアにも取り上げられるようになった。今春には、CM出演に加え4月にスタートしたテレビ番組「青山ワンセグ開発」(Eテレ)のMCに抜てきされ、百田さんがバラエティー番組「メレンゲの気持ち」(日本テレビ系)のサブ司会を務めるなど一気に露出が増えている。
3月に発売された7枚目のシングル「猛烈宇宙交響曲・第七楽章『無限の愛』」が発売初週で約4万枚を売り上げ、オリコンランキングで5位にランクイン。4月に発売されたライブブルーレイディスク(BD)「ももいろクリスマス2011 さいたまスーパーアリーナ大会」も週間BDランキングで総合首位を獲得している。100万枚を売り上げるAKB48と比べると“大ヒット”と表現するには少し寂しい数字ではあるが、メディアの露出が増え、ライブを中心に着実にファンを増やしていることもあり、今後のさらなる躍進が期待される。
新鋭として注目されているのが「Fairies」だ。安室奈美恵さんや「SPEED」と同じ事務所の7人組女子中学生のアイドルグループで、11年9月にシングル「More Kiss/Song for You」でデビューし、日本有線大賞新人賞や日本レコード大賞最優秀新人賞を受賞している。メンバーは、同事務所が提携する全国13地域のダンススクールの100人以上の候補生の中から選ばれたということもあり、高いダンススキルが魅力の一つ。R&Bをベースとした楽曲とキレのあるダンスで、所属事務所の先輩「SPEED」のように大人から子どもまで幅広い層の支持を集める存在になるか注目だ。
「東京女子流」は、10年5月にシングル「キラリ☆」でデビューした5人組アイドルグループで、既に9枚のシングルと2枚のアルバムをリリースしている。MISIAさんの「つつみ込むように…」や「モーニング娘。」の「笑顔YESヌード」などの編曲を担当した音楽プロデューサーの松井寛さんがほとんどの楽曲を手がけており、ファンクやディスコ、フュージョンの要素を取り入れつつ、“歌”を際立たせた歌謡曲に仕上げている。オリコン週間シングルランキングでの最高位は、11年8月に発売された7枚目のシングル「Limited addiction」の11位と、未知数ではあるが、ファンキーな“松井サウンド”が一部のブラックミュージックファンから高い評価を得ていることもあり、今後はさらなるチャート上昇も期待されている。
ほかにも、06年にテレビ番組から誕生した「アイドリング!!!」、メンバーの嗣永桃子さんが“ぶりっこキャラ”としてバラエティー番組を中心に出演している「Berryz工房」、女優の川島海荷さんらが所属する「9nine(ナイン)」といった既にテレビで活躍中のグループも多い。さらに、「モーニング娘。」「Berryz工房」擁する「ハロー!プロジェクト」所属の「℃−ute」「スマイレージ」、日本レコード大賞新人賞に輝いた「SUPER☆GiRLS」、メジャーデビューシングルがオリコンシングルランキングで初登場首位を獲得した「ぱすぽ☆」、メンバーが中学3年の3月になると卒業する……というルールの「さくら学院」、「ももクロ」と同じく前山田さんが多くの楽曲を手がける「私立恵比寿中学」など注目のアイドルグループは、枚挙にいとまがない。メンバーの“キャラ”がバラエティー番組で注目されたり、ネットから人気に火が付くなどさまざまな形でブレークするグループが出てくるかもしれない。
テレビでの露出やライブ動員数を見ると、「ももクロ」が頭一つ抜けている印象だが、いずれのグループも、CDの売り上げが発売初週で10万枚を超える“ヒット”には届いていないのが現状だ。しかし、今ではミリオンヒットを連発している「AKB48」も、最初から“国民的アイドル”だったわけではない。音楽市場の低迷が騒がれる中、百花繚乱(りょうらん)のアイドルシーン。今後の動向にも注目だ。(毎日新聞デジタル)
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