トム・ハンクスさんが製作、監督、脚本、主演の一人4役をこなし、相手役にジュリア・ロバーツさんを起用した「幸せの教室」が11日に公開された。ハンクスさんが映画の監督を務めるのは、96年の「すべてをあなたに」以来6年ぶり2度目。共同脚本は「マイ・ビッグ・ファット・ウェディング」(02年)で脚本と主演を務めたニア・バルダロスさんだ。
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ハンクスさんが演じるラリー・クラウンは、大型スーパーで働く販売員。海軍のコックを20年間勤め上げたのち、ここに就職した彼は、仕事が生きがいだった。ところが突然の解雇通告。理由は大学を出ていないから。1度は落ち込んだものの、ご近所さんのアドバイスに従い、短期大学(コミュニティーカレッジ)に通うことにする。登校初日、受講するスピーチ教室に向かうと、そこには、メルセデス・テイノー(ロバーツさん)という、いかにも不機嫌そうな先生が待っていた。このメルセデス自身、ダメ夫を抱え、アルコール依存症気味という問題を抱えていた……。
何よりまず、ハンクスさんとロバーツさんの共演というのが豪華だ。過去に「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」(07年)でも共演していたが、あのときは2人とも戦争風刺の内容のせいか、どこか窮屈そうだった。その点、今回はハンクスさんにとっては久しぶりのロマンチックコメディー。一方のロバーツさんも、ラリーとの関わりでみるみる生気を取り戻していくメルセデスを好演している。
ハンクスさん自身、高校卒業後、短期大学に進学。そのときの体験が今作に反映されているという。加えて、最近の金融危機による社会に対する影響についても言及されている。そこで立ち回るラリーとメルセデスは、背負っているモノは重たいが、物語自体はいたって楽しく、見ていて明るくなれる。特に終盤での、ラリーのスピーチには、励まされる人が多いのではないだろうか。11日からTOHOシネマズスカラ座(東京都千代田区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)
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