注目映画紹介:「The Lady ひき裂かれた愛」スーチーさんの半生を夫との愛と絆を軸に描いた

「The Lady ひき裂かれた愛」の一場面 (C)2011 EuropaCorp-Left Bank Pictures-France 2 Cinema
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「The Lady ひき裂かれた愛」の一場面 (C)2011 EuropaCorp-Left Bank Pictures-France 2 Cinema

 今年の4月、議会補選で当選したことが話題となったミャンマー民主化運動の指導者、アウンサンスーチーさん。リュック・ベッソン監督がその半生を映画化した「The Lady ひき裂かれた愛」が21日、公開された。英国人の夫との愛と絆を軸に、スーチーさんの闘いを描き出す。マレーシア出身の女優ミシェル・ヨーさんが、美しさと気品と強さを見事に体現。強さの中にある不安感や、スーチーさんの妻として母としての顔ものぞかせている。

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 1947年、ビルマ(現ミャンマー)。スーチーの父アウンサン将軍が32歳にして凶弾に倒れた。88年、英オックスフォード。スーチー(ヨーさん)は、英国人の夫・マイケル(デビッド・シューリスさん)と2人の息子と幸せに暮らしていた。ある日、母が倒れたと知らせを受けて故郷に帰る。軍とデモ隊が激しく衝突するのを目の当たりにし、ぼうぜんとするスーチー。民主化運動家たちに選挙への出馬を依頼される。夫の後押しもあり、初めて演説に立ち、やがて運動のリーダーとなっていくが、独裁者のネ・ウィン将軍の怒りを買い……という展開。

 民主化運動の指導者を、一介の主婦だったところから描き出し、一人の女性の人生を浮かび上がらせている。人々に熱望されて軍事独裁政権との長い闘いを始めたスーチーさん。その支えとなったのは夫との愛だった。一緒に闘う同志でもある夫との絆の深さに泣ける。演じるヨーさんは話し方も本人に似せたというが、何よりも役柄の内面がよく表現されている。民衆の前での初演説のシーン、向けられた銃口に毅然(きぜん)と立ち向かうシーン、あるいは、夫や息子と過ごすシーン。どの場面にも一人の女性として、生きる選択に迫られる苦悩をにじませる。夫役のシューリスさんの表情にも引き込まれた。21日から角川シネマ有楽町(東京都千代田区)ほか全国で公開中。(キョーコ/毎日新聞デジタル)

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