紗羅マリー：新曲が「TAP−i」CM曲に　「古きよきものを伝え同世代との懸け橋になりたい」　

　モデルで歌手としても活躍する紗羅マリーさん（25）の10日リリースの新曲「ROCK’N’ROLL IS HERE TO STAY」が、スマートホン・タブレット向けニュース媒体「TAP−i」（毎日新聞社・スポーツニッポン新聞社）のCMソングに採用され、このほど新曲のPRのため、紗羅さんが毎日新聞社の「TAP−i」編集部を訪れた。タイトルは「ロックンロールはすたれない」の意で、歌詞にはジミ・ヘンドリックスやジャニス・ジョプリン、忌野清志郎ら“ロックに生きた伝説のアーティスト”の名前を連ねた楽曲について、紗羅さんに聞いた。（毎日新聞デジタル）

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　86年12月、名古屋市で米国人の父と日本人の母の間に生まれた紗羅さんは、13歳のころからモデルとして活動をはじめ、ファッション誌「ViVi」（講談社）の専属モデルなどで活躍。活動10年の節目の年に「事務所の人に『私、歌手やりたいんですけど』といった」のがきっかけで10年4月にシングル「Cherry／Gossip」で歌手デビューを果たした。10日発売の「ROCK’N’ROLL IS HERE TO STAY」は4枚目のシングルとなる。

　タイトル曲には「自分で壁を壊して、もっと上を目指して生きようよ」というメッセージを込めた。「私は別にロックのジャンルを歌っているわけじゃなくて。歌詞の中に今はもう亡くなってしまった音楽のレジェンドたちの名前がわーっと入っているんですよ。その人たちはすごくロックに生きた人たちで、きっとむちゃしなかったら今でも生きている人たちなんですけど、自分の意思を貫き通して、がむしゃらに走って走って、特異なものを作って、そして亡くなっていったという。そういうふうに今の人たちももっとがむしゃらに、ロックなものに触れて1ミリでも人生を変えてもらったら」という思いを込めている。

　これまで恋愛ソングが多かったというが、今回、なぜこういう曲を作ったのだろうか。「これまで（の恋愛ソングも）全部が私自身なんですけど、そろそろネコをかぶるのをやめようかなと思って。きれいごとは好きじゃないので、誰もがいわないタブーな部分だったりを私が表現していけたらなと。普段いえないでいる人たちが、自分たちがいえた気持ちでいてくれればすごくうれしい」と本音で語る。

　そんな曲が「TAP−i」のCMソングに決まったときは「素直にうれしかったですね。デモの状態で（担当者に）お渡ししていたので、OKもらったときにライブ映像と声を撮りたいという話で、海外から帰ってきて、その日に曲を仕上げて、次の日にはライブの映像と声を撮ったので、1日で歌詞を覚えなくちゃいけなかったりして。でも、そのスピード感は初めてで、すごく面白かったです」と楽しみながら仕上げた。「TAP−i」はニュースの新媒体だが「新聞とかニュースって堅いイメージがあるじゃないですか。そこで私の曲のウッドベースのカタカタカタという音が聴こえてくると、すごく新しいというか。大人の世界と子供の世界のミックスになりました」と手応えを感じている。

　音楽のルーツは意外にも「美空ひばり」にあった。「私がおばあちゃん子っていうのもあったんですけど、おばあちゃんがひばりさんの『愛燦燦』とかを聴いていて、すごくきれいな声だなと思ってました。自分で調べられるようになってからその足跡を見てみると、すごくパンチがある方なんだなと思って。ひばりさんのデビュー当時の曲とかがすごく好きで。一番タブーな、今だと使っちゃいけない言葉とか放送禁止用語をいっぱい使っているんですね。そういったチャレンジとか、また、本当に早い段階でロカビリーなどの洋楽を取り入れた方なので、本当に尊敬する部分が多すぎるんです」を目を輝かせる。

　「昔のものが好きなのかもしれない」という紗羅さんは、「ファッションでもビンテージのものを集めることが多いし、音楽も昔のテーストが入ったりするものが好き」といい、江利チエミや浅川マキなど古きよき昭和歌謡を好んで聴いている。新曲にもかつてロックな生き方をした人たちを紹介することで、「気になった人がいれば調べてもらったり、かつてはこういうカッコいい生き方をしてきた人たちがいるんだよっていうのを同世代の若者たちが掘り下げていく懸け橋になっていけたらいいなと思ってます」という願いを込めた。

　最後に今後の音楽活動について、「こんな私ですが、日々戦いながら頑張ってみんながスカッとなるような曲を作っていきたいと思っています。だから優しい気持ちで見守ってください」とメッセージを送った。

　紗羅さんのシングル「ROCK’N’ROLL IS HERE TO STAY」はDVD付きで価格は1890円。DVDにはタイトル曲のミュージックビデオを収録している。