ちいかわ
第233話 黒い流れ星・後編(12)
1月7日(火)放送分
アニメ「けいおん!」や「涼宮ハルヒの憂鬱」などを手掛けたアニメ制作会社「京都アニメーション」(京アニ)のオリジナルのテレビアニメ「たまこまーけっと」(TOKYO MXなど)の放送が9日深夜にスタートした。これまで学園ものでヒットを飛ばしてきた京アニが、初めて商店街を主舞台にし、深夜アニメでは珍しい「人と人とのつながり」をテーマにした心温まる物語だ。大ヒットしたアニメ「けいおん!」のスタッフが集結した期待の作品とは……。(毎日新聞デジタル)
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「たまこまーけっと」は、うさぎ山商店街の餅屋の娘・たまこが、高校からの帰りに商店街の花屋に立ち寄り、言葉をしゃべる謎の鳥と出合って付きまとわれる場面から始まる。そしてたまこは、最初は嫌がりながらも結局は鳥の面倒を見て、商店街にはほのぼのとした騒動が起きる……というストーリーだ。
京アニといえば、アニメ好きなら誰もが知る会社で、同社の作品は無条件で見るというファンも多く、「制作の質は業界一」と評価する関係者も多い。
作品は、舞台のモデルとなった街や建物をファンが訪れる「聖地巡礼現象」を巻き起こすことでも知られる。「涼宮ハルヒの憂鬱」では、兵庫県西宮市にある喫茶店にファンが押し寄せたり、「らき☆すた」では、アニメに登場する「鷹宮神社」のモデルとなった埼玉県久喜市の鷲宮神社に参拝客が殺到して初詣客数が放送後、5倍に急増するほどで、丁寧に描かれた作品の世界観がファンを引き付けてやまない。
今回の「たまこまーけっと」の舞台は京都の商店街がモデル。「地元の京都で、四季の変化が見える作品を作りたい考えがあった」といい、2年前から企画を温め、人の絆を描くことを軸に商店街を舞台にして、アニメが放送される季節を意識して餅の話を入れることなどを順番に決めていったという。
見えない部分にもこだわっている。商店街の人々にもそれぞれ氏名や設定があり、その一人のストーリーを描き出せて話が成立するほど。プロデューサーの瀬波里梨さんは「それが作品の推しでないのですが、一人一人が主役になれるようなキャラ作りは、企画段階からありました」と明かす。
アニメを見て感じるのは、活気のある商店街の人々が互いに世話を焼くという優しい目線で、今はなくなりつつある「ご近所さん」といった地域の絆を描いていることだ。主人公のたまこも、隣にいて放っておけなくなるような可愛さのある等身大のキャラクター。謎の鳥の存在は、ファンタジーの要素が強いが、瀬波さんは「鳥が言葉をしゃべるのも変ですが、商店街の人は、なじんで受け入れてしまうおおらかさがあります。それもテーマに沿った流れです」と説明する。
セクシーなシーンや過激な暴力描写を売り物にすることが多い深夜アニメの中にあって心の温かさを感じさせたり、その世界に入りたくなる作品を多く世に送り出してきた京アニ。瀬波さんは「(暴力描写などのシーンは)必要なら描きますが、話の流れを覆してまではやりません。大切なのは、作品に対する愛情を持ち、キャラクターと真摯(しんし)に向き合うことです」と、その精神を強調する。
「たまこまーけっと」は、主人公のたまこを中心にした物語になるが、それだけでは終わらないそうだ。瀬波さんは「たまこと鳥がどういう関係を築くか楽しみにしてください。また深夜に見るアニメなので、幸せな気持ちで布団に入ってもらいたいですね」と話す。携帯電話やインターネットで買い物ができる時代に、商店街の魅力、地域の絆を描いている同作。日本が失いつつある魅力を見せてくれる作品になりそうだ。
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