三鷹の森ジブリ美術館(東京都三鷹市)の中島清文館長が16日、東京都内で行われた仏の影絵アニメーション映画「夜のとばりの物語−醒めない夢−」(ミッシェル・オスロ監督)公開記念特別講義に講師として登場。グラフィックやインテリア、CGを学ぶ学生約330人を前に、昨年来日したオスロ監督やスタジオ・ジブリの宮崎駿監督のエピソードを交えながら授業を行った。
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作品を作ることについて、中島館長は若い頃にどれだけ情報を頭にインプットしたかが大事だと語り、「オスロ監督は小さい頃にアフリカに住んでいたことがあり、いろんな美しい物を見たので、原体験が生きている。宮崎監督は頭が大きいですからね(笑い)。いろんなものを映像で覚えていて、無意識のうちに合体して新しいものができていく。インプットがあってそれを新しく作っている」と説明した。
学生たちが目指す仕事について、中島館長は宮崎監督の言葉を借りて「創造的な仕事を成し遂げるには、若いこと、無名なこと、貧乏なことが必要だ。お金がないと予算が制限されるからアイデアが必要。無名だとやりたいことに制限があるけれど『でもやりたい』という意欲ができる。でもそれを成し遂げるには若さがなきゃだめだ」と熱弁。「アーティストは周りの人からうるさがられる。独創性があればあるほど、『何じゃこりゃ』と言われるけれど、自分を信じて作品を作り続けてほしい」とエールを送った。
「夜のとばりの物語」は「キリクと魔女」「アズールとアスマール」で知られるオスロ監督によるテレビシリーズとして作られた5本に、新作を加えた六つの物語のオムニバス映画で、12年夏公開。好奇心旺盛な少年と少女が夜な夜な古い映画館で六つの世界の主人公となって、映画技師とともに愛の物語を紡いでいく。19日に新宿バルト9(東京都新宿区)で公開される。(毎日新聞デジタル)
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