97年に公開され、興行収入193億円を記録した宮崎駿監督の代表的な劇場版アニメ「もののけ姫」が、英国の劇団「Whole Hog Theatre(ホール・ホグ・シアター)」によって舞台化されることが5日、発表された。
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劇団の創設者の1人でアートディレクターでもあるアレクサンドラ・ルターさんがジブリ作品に感銘を受け、昨年春に「もののけ姫」の舞台化を宮崎監督に直々にオファーしたところ、テスト映像を見た宮崎監督がOKを出し、英国での舞台化が決まった。宮崎監督が自作の舞台化を許諾するのは初めて。久石譲さんの音楽もアレンジを加えて使用され、神様が登場する場面などは数人で操るパペットで表現するという。
「ニコファーレ」(東京都港区)で同日開かれた会見には、ルターさんや「もののけ姫」を手がけた「スタジオジブリ」の鈴木敏夫プロデューサーらが出席。舞台化のきっかけをルターさんは「初めて見たときに“なんて美しい映画なんだ”と思い、2度目に見たとき、タタリ神になるシーンをパペットでやったら面白いと思った」と話した。
ルターさんが「作品の故郷である日本で上演するのは光栄と同時に責任も感じる。努力を重ねて全うしたい。劇団には日本のスタッフもいて、日本の文化や解釈などを教えてくれている。オリジナルに敬意を表し、この舞台が普遍的なメッセージを伝えることを目指している」と話すと、鈴木プロデューサーは「許諾したということは相手を信頼したということ。全部アレックス(ルターさん)に任せました。誤解を怖れずにいうと“変な『もののけ姫』を見てみたい”。英国の人が『もののけ姫』を見てどう思うか、そっくりそのまま見てみたい。こぢんまりとまとまったものでなく、破綻をきたしてもいいから面白い舞台を見てみたい」とリクエストしていた。
4月2~6日に英国のニュージオラマシアターで行われる公演のチケットは3日で完売。6月に再演が決定している。“誕生の地”日本でも4月29日~5月6日に東京・渋谷での上演が決まった。(毎日新聞デジタル)