呪術廻戦 死滅回游 前編
第54話「東京第1結界①」
2月12日(木)放送分
30年間、ゲームの中で嫌われ者を演じ続けてきた悪役キャラクターが、「自分だってヒーローになりたい!」と自分のゲームを飛び出し大活躍するディズニーの劇場版アニメ最新作「シュガー・ラッシュ」は、私たち人間が知らなかったゲームの世界の裏側を描いたファンタスティックなアドベンチャー作品だ。作品のPRのために2月に来日したリッチ・ムーア監督に話を聞いた。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)
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今作のポスターなどのビジュアルを見ると、「スーパーマリオブラザーズ」から抜け出てきたようなキャラクターがいたり、ムーア監督がビデオ映像や雑誌で見て、そのファッションセンスに感心していた「原宿ガール」をモチーフにした女の子キャラがいたり。そうかと思えば、ゲームファンにはおなじみの有名キャラクターが映っている……。そのバラエティー豊かな様子、別の言い方をすれば、いい意味で統一感のなさには驚かされるが、監督にそう指摘すると、「みんな、このポスターを見て、そんなふうに引いちゃうのかな」と笑顔を浮かべながらも不安そうな表情を見せるムーア監督。
「シュガー・ラッシュ」のキャラクターに統一感がないのにはワケがある。というのもこれは、ゲームの世界が舞台。ゲームセンターが閉店すると、それぞれのゲームで活躍したキャラクターたちは“家に帰り”、1日の疲れをとり、翌日の“仕事”に備える。今作の主人公で、80年代に生まれたアーケード型アクションゲーム「フィックス・イット・フェリックス」の悪役キャラ、ラルフもしかり。
その彼が、30年間嫌われ者を演じ続けてきたことに嫌気がさし、「僕だってヒーローになりたい!」と自分のゲームを飛び出してしまう。そして、一人称型シューティングゲーム「ヒーローズ・デューティ」で一波乱起こしたあと、お菓子の国で繰り広げられるレースゲーム「シュガー・ラッシュ」に迷い込む。そこでラルフは、ほかのレーサーから仲間はずれにされていた少女ヴァネロペと出会い、彼女のためにひと肌脱ぐことにする……というストーリー。ゲームが違えば世界観も違う。それに今作には、世界中で愛されている実在のゲームやキャラクターが多数登場する。ムーア監督いわく、「固定ファンの期待を裏切りたくないから、元のスタイルにこだわった」。だから、キャラクターが不統一で当然なのだ。
ムーア監督が指摘するように、今作には「ストリート・ファイター」シリーズに登場するザンギエフやベガ、「パックマン」シリーズのグズタ、さらに「ソニック」シリーズのソニックやDr.エッグマンといった各ゲームに“実在する”キャラクターたちが登場する。当然、それぞれの生みの親であるゲームメーカーは異なる。彼らからの要望の調整には苦労することが予想されたため、製作の初期段階から各メーカーのスタッフには話し合いに参加してもらったという。そのとき最も手間取ったのは、ラルフたち悪役キャラが一堂に会する集会の場面。「ゲームメーカーの人たちは、なぜか自分たちのゲームの悪役が一番身長が高いと言い張るんだ。グズタとザンギエフならグズタのほうが高いだろう。いや、そんなことはない、とかね。そこが最もモメたところだよ(笑い)」とジョークのような話をしながら、当時の様子を思い浮かべていた。
ムーア監督自身もゲームが大好きで、子供時代には「パックマン」や「ドンキーコング」「ディグダグ」といった昔ながらのアーケードゲームで夢中になって遊んだという。また「僕だけじゃなく、息子と娘も遊んでいる。あれは、家族みんなが楽しめる素晴らしいゲームだ」と、「マリオカート」も絶賛。さらに今作に登場する「ヒーローズ・デューティ」が、一人称型シューティングゲーム「HALO(ヘイロー)」のビジュアルの影響を受けていることを明かした上で、「今回の映画の中に登場するゲームが、僕が好きなそれら三つのジャンルのゲームを彷彿(ほうふつ)とさせるのは自然なことなんだ」と説明した。
このように「シュガー・ラッシュ」は、アニメーションのファンはもちろん、ゲームファンをも満足させる仕掛けが満載。悪役を主人公に据えたのは、「非の打ち所のない人間よりも、欠点がある人間のほうが共感できる」から。合わせてそこには、次のようなメッセージも込めた。「自分らしくいることの大切さ。それから、自分を犠牲にして他人を助けようとすることで人は成長し、さらによりよい人間になろうとする気持ちが湧いてくるということ。僕はこの映画で、そうしたことを伝えたいんだ」とメッセージを送った。映画は23日から全国で公開中。3Dも同時公開。
<プロフィル>
1963年生まれ、米カリフォルニア州出身。カリフォルニア芸術大学(通称カルアーツ)キャラクター・アニメーション科を卒業後、87年、テレビアニメシリーズ「Mighty Mouse:The New Adventures」のデザイナーおよびライターとしてキャリアをスタート。その後、89~93年にアニメシリーズ「ザ・シンプソンズ」に監督として携わり、そのうちの1エピソードでエミー賞優秀アニメーション番組賞を受賞した。07年の映画「ザ・シンプソンズMOVIE」ではシークエンスディレクターを務めた。今作「シュガー・ラッシュ」が、長編アニメーション映画監督デビュー作。
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