人気子役の鈴木福君(8)の初主演映画「コドモ警察」(福田雄一監督)が全国で公開中だ。今作は、ドラマ「33分探偵」や「勇者ヨシヒコと魔王の城」などで知られる福田監督のオリジナル脚本で、悪の組織によって特殊捜査課が全員子どもにされてしまったという奇抜な設定で展開された刑事ドラマの劇場版。主演の福君と福田監督に撮影エピソードなどを聞いた。(毎日新聞デジタル)
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映画は、悪の組織「レッドヴィーナス」から来日するカゾキスタン大統領の暗殺予告が届き、刑事らはその暗殺を阻止し、大人に戻れるのか……というストーリー。福君は本当は50歳の「デカ長」を演じ、本田望結ちゃんが“アラサー”の女性刑事・林舞子を、そのほかベテランのナベさん(鏑木海智君)、食いしん坊のイノさん(青木勁都君)、頭脳派のスマート(秋元黎君)、おしゃれでプレーボーイのエナメル(相澤侑我君)、武闘派のブル(竜跳君)、唯一大人の身体をしている新人刑事・国光信(勝地涼さん)。また、警察庁のエリート刑事・間聖四郎役でアイドルグループ「Sexy Zone」のマリウス葉さん、記念日好きなデカ長の恋人役で吉瀬美智子さん、ゲストに北乃きいさん、山本裕典さんも出演している。
−−映画の撮影が昨年11~12月に行われたということですが。
福田監督:横浜の屋上(の銃撃シーンの撮影)、寒かったね~。
福君:うん。屋上での撮影は2回くらいあったけど……。
福田監督:あれ、寒かったね。みんな(せりふを言う)息が白いもんね。
福君:最後のヘリコプターのシーンを12月5日に撮ったというのは覚えてる。
福田監督:ヘリコプター楽しかったね。撮影が終わった後に、「レンタルしている時間が余りました」と。そうしたらサービスで飛んでくれるということで「4人乗れます」という話になって、「福君、乗りなよ、乗りなよ」って。僕は現場で監督が率先して遊ぶのはどうかと思って、乗りたいなと思っていたんですけど、遠慮してたんですよ。「どなたか、どなたか」って言ってたら、「監督も」とスタッフが言ってくれて、「えっ、マジで?」って(笑い)。スタッフが次の現場に向けてかたずけたりなんかしているときに「フー!!」って楽しんじゃって。
−−どのくらい乗れました? 楽しかった?
福君:初めてヘリコプターに乗って、10~15分くらい乗ったんだけど、東京駅にもすぐに行けるような、横浜全体に行っても10分で帰ってこられるような速さで。
福田監督;東京スカイツリーが見えたね。
−−ガンアクションはどうだった?
福田監督:カッコよかったんですよね。滑稽な感じというのを考えていたんですけど、みんなカッコよかったですね。
福君:今回、アクションがすごい!
福田監督:倉庫内を走りながら撃つというシーンがあって。福君はショットガンなので、カシャッとやらないと(弾を込めないと)ドーンって撃てないっていう設定なので、なかなか走りながらそのアクションができなくて。(撮影中)1回やったよね。
福君:いや、2回か3回。
福田監督:マリウスはわりと好き勝手に撃っていて。マリウスは撃ったらそこにCGをかけなきゃいけないということを知らなくて。バンバンバンバン、CGつけるのがおっつかなかったです。わりと好き勝手やってました(笑い)。
福君:敵がいないはずの方向にもね。前から撃たれているのに、横に反撃したり(笑い)。
福田監督:でも全然(特殊捜査課の)誰にも当たらないんだよね。1人くらい当たってもいいくらいなのに。基本的にヒーローものの鉄則なんだ。どんだけ敵が弾を撃っても当たらないという。
福君:ブルとかカッコよかった。シューンって(「マトリックス」ばりのアクションで)。
−−本当は大人という設定なので、せりふが大人のせりふで結構難しいと思うんですけど、一番難しかったせりふは?
福君:「こちら特殊捜査課」かな。
福田監督:ついつい川で捜査中に遊んじゃうというシーンがあるんですけど、「なんだったら魚を素手でつかみたいという野望すら抱きつつある」というせりふ(笑い)。そんなこと大人でも言わないですけど……。
福君:「抱きつつある」って監督がアフレコのときに、上手に言わないでって。
福田監督:本番で川で撮影したときに、「抱きつつある」って大人でも言いにくいじゃない。そこを若干グズっとなっていたんですよ。それが面白くて、その部分使っていて。撮影時には川の音が入っていたのでアフレコになったんですけど、アフレコで改めてやってもらったらわりとスパッと普通に言えていて、「福君ね、抱きつつあるが言えてない感じが面白かったんだよね」って、やってもらったら言えないバージョンもできるという天才ぶりを発揮して(笑い)。
−−恋人役の吉瀬美智子さんとムードたっぷりの会話もしていますが、どういうふうに役作りをしているんですか。
福君:(役作りはとくに)ないです。
福田監督:福君、おとなしくしてるよね。あの場面は(笑い)。あの屋上に行くとちょっと空気が違う。そういう(大人)モードに入ってくれているのか、はたまた単純に吉瀬さんに緊張しているのか。吉瀬さんの前ではカッコつけるんですよ。本当に普段は(小学生男子っぽい)下ネタしか言わないんですけど、吉瀬さんの前に行くとまったくそういう話をしない。わざと僕が吉瀬さんの前で「この間、おならの歌を歌っていたじゃん。あれ面白いから吉瀬さんに歌ってあげなよ」というと、(福君が)「えっ、そんなの歌ってましたっけ? ちょっと分かんないです」って(笑い)。
福君:忘れちゃって……(照れ笑い)。
−−映画のここを見てほしいというポイントを教えてください。
福君:全体ですけど、その中でも(自身が演じる)デカ長の男らしさとカッコよさが出ているところ。アクションもすごいし、最初から最後まで面白いので見てください。
福田監督:デカ長の葛藤を見てほしい。ほかのメンバーに隠して1人でいろんなことを進めている設定なので、みんなに責められるシーンがあるんですけど、そのときのシーンがもう苦悩したなんたる大人という顔をしているんですよね。毎回、あのシーンを見るたびに天才だなコイツ(福君)って感心しますね。
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