今年25回忌となる昭和の歌姫、美空ひばりさんが81年に出演したフジテレビの音楽番組「ザ・スター」の未公開映像を含む29曲を熱唱した様子が、6月に劇場公開されることがこのほど決まった。演出を務めた当時の番組ディレクター・上原徹さんは「“希代のザ・スター”美空ひばりさんを体感していただきたい」とアピールしている。

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　「ザ・スター」は、80年代にフジテレビの関東ローカルで放送された番組で、81年4月1日から5週にわたって美空ひばりさんが出演した。その未公開部分を含むすべての収録テープがフジテレビの倉庫で発見され、劇場上映用に再編集。上原さんが自身初となる映画監督を担当し、最先端デジタル技術を駆使して古い収録テープを復活させた。

　上映される楽曲は「リンゴ追分」「東京キッド」「港町十三番地」「悲しい酒」などの名曲や、泣きながら歌う「波止場だよ、お父つぁん」、さらに同番組のみ1度だけ歌った未発売曲「ウォーク・アウェイ～想い出は涙だけ～」など全29曲の貴重なスタジオライブが収録されており、当時放送されなかったお宝映像も含まれている。

　上原さんは「30分番組5週分を1日で、というハードな収録スケジュールのもと、実に16時間をかけ、リハーサルを含め、約70曲を見事に歌い上げたひばりさん。そのプロフェッショナル然とした姿勢は、まさしく“ザ・スター”そのもの」とコメントを寄せている。

　「ザ・スター　美空ひばり」は6月8日から命日の24日まで、新宿バルト9（東京都新宿区）ほか全国で公開予定。6月1日から丸の内ルーブル（東京都千代田区）で先行上映。なお、5月3日から東映会館（東京都中央区）の外壁（ビルの4～8階部分）に、「ひばり、還る」とキャッチコピーを掲げ、上映の詳細を記した高さ16メートルの懸垂幕を掲示している。（毎日新聞デジタル）