小山宙哉さんの人気マンガが原作のテレビアニメ「宇宙兄弟」(読売テレビ・日本テレビ系)のアフレコ現場を宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙飛行士・大西卓哉さんが訪れ、宇宙飛行士を目指す南波六太の声を担当する平田広明さんと対談した。「原作は読んでいます。アニメはアメリカに住んでいるので放送はないんですけど、野口(聡)飛行士と星出(彰彦)飛行士が出演された回だけは拝見させていただきました」という大西さんは「宇宙兄弟」と“宇宙”への思いを語った。
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「宇宙兄弟」は、幼いころ、宇宙飛行士になる約束をした兄弟が主人公。時は流れ、弟・日々人(ひびと)は宇宙飛行士となったが、兄の六太は会社をクビになり無職に。異なる運命を歩んでいた2人の兄弟だったが、弟から届いた1通のメールで兄は再び宇宙を目指し始める……という物語。原作はマンガ誌「モーニング」(講談社)に連載中で、小栗旬さんと岡田将生さんのダブル主演で実写映画化もされた。
米・ヒューストンで訓練中の大西さんは、六太と宇宙飛行を目指し訓練中という共通点がある。平田さんは好きなシーンについて「選抜試験の閉鎖環境試験のシーンです。閉鎖環境試験が終わって全員で出てきた時、JAXAの職員がバァーと並んでパチパチパチって拍手で迎えるシーンがありますよね。現実もまさにあんな感じなんです」とコメント。「選抜試験はリアルか?」と尋ねられると「リアルですね」と話しながら「唯一、違うのはグリーンカード(候補生に向けて指令が書かれたカード)で、現実ではありませんでした。ただ、私が試験を受けたときには、マンガでそのシーンが進行していて、僕らはいつグリーンカードがくるのか警戒していました(笑い)」と明かした。
また、平田さんが「今後の六太に期待することってありますか?」と質問すると、大西さんは「六太には今のままでいてほしいんですよね。六太の一番よいところは自分の中にしっかりした芯が一本あるところ。例えば、国際宇宙ステーションに行くクルーならすぐにバックアップクルーになれるけど、そしたら月には行けなくなるっていわれたとき、迷わずに月を選びましたよね。宇宙に行ける可能性は遅れるし、もしかしたら選ばれないかもしれないけど、俺は月に行くんだって、そっちを選んだシーンはすごく好きです」と作品への熱い思いを語った。
最後に平田さんが「宇宙に行ってやってみたいこと」を聞くと、大西さんは「やっぱり地球を見てみたいですね。戻ってこられた宇宙飛行士の先輩方が口をそろえていうのはやっぱり地球の美しさ。宇宙ステーションの中で1カ所だけキューポラと言って、地球を向いてガラスの窓が張られている空間があるんですよ。星出宇宙飛行士はブラックホールと呼んでいて、そこに行くとしばらく出てこられないって」と話していた。
「宇宙兄弟」は読売テレビ・日本テレビ系で毎週土曜午後5時半から放送。(毎日新聞デジタル)
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