注目映画紹介:「パシフィック・リム」 日本のアニメや怪獣映画を尊重したデル・トロ監督の新作

(C)2013 WARNER BROS.ENTERTAINMENT INC.AND LEGENDARY PICTURES FUNDING,LCC
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 「パンズ・ラビリンス」(2006年)や「ヘルボーイ」(04年)で知られるメキシコ人のギレルモ・デル・トロ監督がメガホンをとり、菊地凛子さんが主要キャストとして出演するハリウッドのSFアクション「パシフィック・リム」が9日から全国公開される。舞台は、太平洋深海の裂け目から現れたKAIJU(怪獣)によって壊滅の危機に瀕(ひん)した地球。環太平洋沿岸パシフィック・リム諸国は、人類存続のための最終兵器として巨大人型ロボット「イェーガー」を開発、KAIJUに挑んでいく。菊地さんが米国製イェーガー、ジプシー・デンジャーを操縦するパイロット、モリ・マコにふんしているほか、そのパートナーで主人公ローリー・ベケット役で「フーリガン」のチャーリー・ハナムさんが出演。また、人気子役の芦田愛菜さんが、マコの子供時代を演じている。

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 ここに登場するイェーガーは、「鉄人28号」あるいは「マジンガーZ」といった戦闘ロボットを彷彿(ほうふつ)とさせ、日本人にはなじみ深い形をしている。デル・トロ監督自身、日本のアニメや特撮のファンであることを公言しており、今作を見れば彼がいかにそれらを愛し、また日本の怪獣映画の伝統を尊重しているかが分かるはずだ。

 米国製のほかに、豪州製、中国製、ロシア製のイェーガーが登場する。米国製は「古典的なマシンガンが似合い」「装飾された摩天楼とジョン・ウェインの組み合わせ」、ロシア製は「特大の原子炉を装備」など、それぞれの国の特徴を前面に出しているところが興味深い。それらが怒とうのクライマックスまでKAIJU相手にずーっと戦い続け、観賞後はかなりぐったりするものの、「ゴジラ」や「ウルトラマン」といった怪獣やロボットものを見て育った世代には、懐かしさを感じながら楽しむことができるはずだ。9日から丸の内ピカデリー(東京都千代田区)ほか全国で公開。3D版、同時公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

 <プロフィル>

 りん・たいこ=教育雑誌の制作会社、編集プロダクションをへてフリーのライターに。映画にまつわる仕事を中心に活動中。大好きな映画はいまだに「ビッグ・ウェンズデー」(78年)と「恋におちて」(84年)。

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