オダギリジョー:「八重の桜」出演 新島襄役は「自分への挑戦」

NHK提供
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 俳優のオダギリジョーさんが、NHK大河ドラマ「八重の桜」で新島襄役として11日放送回から本格的に出演している。オダギリさんにとって大河ドラマは04年の「新選組!」以来、9年ぶりとなり、「大河は日本を代表するドメジャーな作品。ドマイナーな人間なので、自分に対する挑戦です」と話す。オダギリさんに「八重の桜」への思いを聞いた。(毎日新聞デジタル)

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 「八重の桜」は、福島県出身で戊辰(ぼしん)戦争の落日、会津の鶴ケ城に500人の女性たちと立てこもり、銃を持って戦ったことから“幕末のジャンヌ・ダルク”と呼ばれ、のちに同志社を創設した新島襄(オダギリさん)の妻となる山本八重(綾瀬はるかさん)の生涯を描いている。新島襄は、1864年に密航して渡米。大学で理学士の学位を取得して、神学校在学中に駐米公使に正式な留学生として認められ、岩倉使節団に合流する。帰国後、大学設立に奔走する中、八重やその兄・山本覚馬(西島秀俊さん)と出会う。

 オダギリさんは、これまで劇中にたびたび登場してきたが、八重(綾瀬さん)や覚馬(西島さん)、八重の母の佐久(風吹ジュンさん)ら“山本家”との共演シーンはなかった。しかし、昨年末に綾瀬さんや風吹さんらが開いた“山本家の忘年会”に参加したといい「大河のキャストがどっさりいて、撮影が始まっていないのに、ウエルカムな雰囲気だったので、飛び込んでいけた」と山本家の輪にスムーズに入ることができたという。また「途中から参加するようなものなので、居づらいんじゃないかと思いましたが、綾瀬さんが話しかけてくれて、打ち解けてくれようとして、迎え入れてくれた。優しいですね」と話すように、撮影現場は和気あいあいとした雰囲気のようだ。

 新島襄については「ジョーという名前に共通点を感じる部分がありますが、正直、あまり存じ上げませんでした。信念の強さは共感するし、尊敬する」と話す一方、「学校を作りたいという強い思いがあるけれど、ほかは……というところもある。隠してあったケーキを勝手に食べたとか(『サザエさん』の)カツオくんのようなエピソードも残っているので、そんな一面も表現できればと思います。愛されるような人、応援してしまう人ですよね。八重に引っ張られて、尻に敷かれている方がうまくいくのかもしれません」とも感じているようだ。

 演技では「僕の内面にある悪く、黒いところを出さないように気を付けています。振り返ると、これまでの役とは違う。素のオダギリジョーのリアクションではなく、自分に欠けているところを探す。簡単ではないですね。いい人になろうと努力ています」と戸惑うところもあった様子。オダギリさんは、自身を“悪い”“黒い”と冗談交じりに話すが、その真意を問うと、「世の中、そんなに悪い人はいないんだろうけど、みんな悪い部分を持ってますよね。そういうのを利用するのが俳優だと思う。ネガティブなものをいかに魅力的に見せるかということですよね。しかし、今回はそういうやり方ではないですね」と語る。

 「新選組!」では斎藤一を演じたが、今回の大河ドラマとの違いを聞くと、「『新選組!』のときは一番いきがっていた時期かもしれません。すごく孤立した一匹オオカミ的な役だったので、自分に照らし合わせてやりやすかったんですが、今回はポジティブな表現で、包み込むような役なので、180度違う」と説明し、「自分になかったものを頑張ってつむいでいきたい。役者として乗り越えていきたい」と意気込む。

 ドラマは、会津戦争が終わり、八重らは京都で新たな人生をスタートする。オダギリさんは、今後の見どころは「八重さんがいかに人生をリスタートして、立ち上がるか。そのきっかけとなる新島襄という人間を、説得力を持って表現できたらと思います。視聴者の皆さんは、八重を応援する気持ちで見ていると思う。八重を応援する代表としての新島襄であれたら、と思います」と見どころと意気込みを語った。

 「八重の桜」はNHK総合テレビで毎週日曜午後8時に放送中。

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