報道特集:イラク戦争での不発弾爆発事件 元カメラマンの「空白の10年」を追う

現在の五味宏基元記者=神戸金史さん撮影
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現在の五味宏基元記者=神戸金史さん撮影

 2003年5月1日、イラク戦争取材からの帰国途中、ヨルダンの空港で毎日新聞写真部の五味宏基記者(当時)が持っていた金属片が爆発し、調べていた空港治安警察官1人が死亡、5人が重軽傷を負う事件を起こした五味元記者のその後を追ったドキュメンタリー「報道カメラマン 空白の10年を追う」が31日午後5時半から、「報道特集」(TBS系)で放送される。

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 五味元記者は、末期がん患者の最期をみとり、笑みを浮かべる遺体を写した「ラストスマイル」など人の心を打つ写真を撮り、イラク戦争では不発弾の爆発で重傷を負った少年の手をアップで撮った「傷ついた手」で戦争の痛ましさを訴えた。だが、バグダッドで拾った金属片が、クラスター爆弾の子爆弾だと知らず、バッグに入れたままにしたという自らの不注意で人の命を奪ってしまい、ヨルダンで実刑判決を受け、国王の特赦で帰国。そして同社を懲戒解雇され、カメラを捨てた。その後、妻の仕事に同行し、海外に渡った。現在、エジプトで暮らす五味元記者は再びカメラを手にしていた。

 ドキュメンタリーは、毎日新聞に五味元記者と同期で入社し、友人でもある神戸金史・RKB毎日放送テレビ制作部長が08年から5年間、アフリカ・タンザニアやエジプトで、しょく罪の意識に苦しむ姿をカメラで追った。神戸さんは事件から10年、五味元記者が自分を苦しめるだけの生き方から、少しずつ脱却してきたことを機に、長編ドキュメンタリー「シャッター 報道カメラマン 空白の10年」としてローカル放送の深夜枠で番組化した。その後、福岡市で上映会が開かれるなどし、今回再編集して全国放送されることになった。長編は9月1日午後7時から、BS-TBSで放送される。(毎日新聞デジタル)

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