人気アニメ「マクロス」シリーズの河森正治監督が、宇宙航空研究開発機構(JAXA)シニアフェローの川口淳一郎さんと初対談した。劇中で活躍する可変戦闘機「バルキリー」の生みの親である河森監督と小惑星探査機「はやぶさ」のプロジェクトマネジャーとして活躍した川口さんは、エンターテインメントとリアリティーという二つの視点で「宇宙」をテーマにトークを繰り広げた。
ウナギノボリ
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対談は、「宇宙への憧れ」「太陽系外縁から地球への帰還」「これからの人間と宇宙」の三つのテーマに「マクロス」を交えながら展開。作品で描かれた「宇宙」でのシーンを実際にどう見たかと聞かれた川口さんは、ロケットやミサイルが噴射口から赤い炎を出し続けながら飛ぶ描写について「実際、炎はずっとは出続けません。高性能なロケットエンジンだったら燃焼温度が高くなっていくので、炎は青白くなって最後は水蒸気しか出なくなって見えなくなるんですよ」と指摘。一方、河森監督も「それは一つの“芸”みたいになっていて。煙を見せることで、軌道を見せたんですよ。エンターテインメントとして割り切っているところですね」と演出について明かした。
また、川口さんが活躍した「はやぶさ」プロジェクトが実写化されたことにちなみ、「アニメ化のオファーを受けたらどうします?」という仮定の質問を聞かれた河森監督は「大変だと思いますよ。実際の話が面白いと難しいんですよ。本物がドラマチックだからこれでいいんじゃないって」と苦笑。川口さんも「ある程度事実は沿っているんですけど、映画は全く作りものなんですよ。だから徹底的にフィクションを入れればいいのに。でも映画を作る人は忠実なんですよね」と振り返っていた。
対談を終え、河森監督は「実際にやられている話をお聞かせいただいて、持っていた疑問がクリアになるどころか、もっと聞きたいことが出てきた」と笑顔で語り、「いろいろ(作品の)ヒントになる部分があった」と刺激を受けた様子。川口さんは「『はやぶさ』に興味をいただいてありがたいですね。それだけで十分です」と感謝していた。
今回の対談は、WOWOWで1984年公開の劇場版アニメ「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」のハイビジョン版が14日にテレビ初放送されることを記念して実施。対談の内容は「超時空対談スペシャル」として、11日午後9時半からWOWOWぷらすと(ウェブ番組)で配信予定。また、劇場版「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」は、14日午後8時にWOWOWプライムで放送する。(毎日新聞デジタル)
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