「ヒミズ」(2011年)や「希望の国」(12年)などで知られる園子温監督の最新作「地獄でなぜ悪い」が28日に公開された。20年前に自身の体験を盛り込んで書いた脚本が基になっており、当時、あまりの無謀な内容に映画化不可能の烙印(らくいん)を押されたが、園監督の知名度が上がった今なら大丈夫であろうと再浮上した企画だという。
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獄中にいる妻・しずえ(友近さん)のために、娘・ミツコ(二階堂ふみさん)主演の映画を作ろうと思いたったヤクザの組長・武藤(國村隼さん)。駆り出されたのは手下のヤクザたちだった。しかし、彼らは映画なんか撮ったことはない。そこで監督に抜てきされたのが、ミツコの男とたまたま勘違いされた気弱な青年・公次(星野源さん)。さらにそこに熱血映画青年・平田(長谷川博己さん)が加わり、彼らが考えたのは、武藤が敵対する暴力団・池上(堤真一さん)のところになぐりこみをかけるという内容のもの。映画はクランクインするが、案の定、とんでもない映画が出来上がっていく……という展開。
なんたってなぐりこみは実際に行われているのだからリアリティーは十分。血しぶきが飛ぶ中でカメラが回る。虚構と現実が入り交じるめちゃくちゃなストーリーで、あまりのめちゃくちゃぶりに言葉を失う場面もしばしば。とはいえこれは、ある種の痛快娯楽作だ。血のりの量はハンパじゃないが、むしろ爽快感すら漂う。過去の名作映画へのオマージュも込められ、自虐的なユーモアもたっぷり。とんでもないクライマックスシーンが待ち受け、最後のオチには“やられた”と思った。
やけにテンションが高い長谷川さん、お笑いに走る堤さん、そして、拳銃と日本刀を自在に(?)操る妙にカッコいい國村さん。彼らがてんでバラバラの方向を向いて演技をしているようで、正直、最初はこの映画にまったく乗れなかった。ところが彼らが“映画を作る”という一点を向いて走り始め、こちらもストーリーを理解しようという努力をあきらめた途端、がぜん面白くなっていった。グラマラスな体形の二階堂さんが見せる、「キル・ビル」のヒロインなみの殺陣にも注目だ。28日から新宿バルト9(東京都新宿区)ほか全国で公開中。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)
<プロフィル>
りん・たいこ=教育雑誌、編集プロダクションをへてフリーのライターに。映画にまつわる仕事を中心に活動中。大好きな映画はいまだに「ビッグ・ウェンズデー」(1978年)と「恋におちて」(84年)。先日、ニューヨークへ旅行に行き、自由の女神像に上り、ミュージカルを見て、ブルックリン橋を渡り……楽しいひとときを過ごせた。
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