女優の山崎紘菜さんが17日に開幕するアジア最大級の映画の祭典「第26回東京国際映画祭(TIFF)」の「フェスティバル・ナビゲーター」に就任。山崎さんは2011年の第7回「東宝シンデレラ」審査員特別賞を受賞した19歳で、三池崇史監督の映画「悪の教典」に出演するなど注目の若手女優だ。「フェスティバル・ナビゲーターを通して未来の映画ファンを作りたい」と意気込む山崎さんに話を聞いた。(毎日新聞デジタル)
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山崎さんはフェスティバル・ナビゲーターとして国内外のゲストを迎えるほか、イベントなどに出演し学生や若者向けに映画の魅力をアピールする。「今年は『抵抗』がテーマということでずしんとくる映画ばかりで見るのに体力を使いますが濃い作品ばかり。音楽ファンがフェスに行く感覚で、若い方にもどんどん映画祭にきてほしいと思います」と魅力を語る。
フェスティバル・ナビゲーターを務めるにあたり、コンペティション部門の15本の作品を英語字幕、または字幕なしの原語(英語)のまま観賞したという山崎さんは東京都内の大学で英語を専攻する大学1年生だ。「(英語を学ぶのは)女優としての進路に生かせればと思って」とはにかむ。洋画を見て海外の俳優の演技を研究しているといい、「字幕だけだと、表情や演技力のすごさはわかるけれど、せりふ回しまでは分からない。(原語でせりふを聞くことで)せりふ回しの工夫も知りたいと思って。字幕なしでさらっと見られるようになることが目標です」と前向きに語る。
尊敬する女優は事務所の先輩でもある長澤まさみさん。「独学で演技の勉強をしているとお聞きしました。現場で学んで、すごく努力をされたんだと思う。尊敬しています」と力を込める。女優の道まっしぐらの山崎さんだが、小さいころは習っていたピアノの発表会に出るのが嫌でやめたりするほどの恥ずかしがり屋だったという。「人前に出たり、何かを表現しようとする気持ちはなかった」という山崎さんが女優を目指したのは、友だちと映画「ハナミズキ」(10年)を見にいったときに、たまたま「東宝シンデレラ」オーディションのチラシを目にしたことがきっかけだという。友だちに「受けてみたら?」と言われ、自然に「やってみようかな」という気持ちになったといい、山崎さんは「運命だったのかな」と振り返る。
東宝シンデレラオーディションの発表も映画館で行われたという“映画館出身”女優の山崎さんの今後の目標は「主演女優として映画館に帰ってくること」だ。「何カ月もスタッフや監督と大人の方と一緒に作り上げていく一体感が好きなんです」と目を輝かせる。
TIFFは六本木ヒルズ(東京都港区)を主会場に東京都内の劇場などで開催されるアジア最大級の映画の祭典。17~25日に開催。山崎さんとともに俳優の斎藤工さんもフェスティバル・ナビゲーターを務める。
<プロフィル>
やまざき・ひろな 1994年4月25日生まれ、千葉県出身。2011年の第7回「東宝シンデレラ」審査員特別賞受賞。映画「僕等がいた」(三木孝浩監督)、「今日、恋をはじめます」(古澤健監督)、「悪の教典」(三池崇史監督)、テレビドラマ「高校入試」に出演するなど多方面で活躍中。
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