薬屋のひとりごと
第13話 外廷勤務
12月27日(金)放送分
2011年に放送され大ヒットしたテレビアニメの続編となる「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語」が26日に公開された。作品の生まれたきっかけ、劇場版アニメ決定の経緯、気になる今後について、アニプレックスの岩上敦宏プロデューサーに話を聞いた。(毎日新聞デジタル)
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−−誕生のきっかけは?
新房昭之監督が「魔法少女を題材に作りたい」と言ったことがありまして。その後、私が監督とアニメ制作会社のシャフト、ゲームクリエーターの虚淵玄(うろぶち・げん)さん、「ひだまりスケッチ」の蒼樹うめさんの4者の組み合わせでアニメを作りたい……と思ったことです。蒼樹うめさんの絵は、マンガ「ひだまりスケッチ」のように可愛さが注目されますが、シリアスな表情も良かった。また、当時は虚淵さんと一緒に仕事をしたことがなかったものの、作品を読んで「ものすごいストーリーテラー」だと思っていました。そこで虚淵さんに「オリジナルのアニメ脚本を書いてほしい」と依頼して、快く受けていただきました。
−−最初はどんな脚本でしたか?
最初から、最終と同じようなものが上がってきて、本当に面白いと思いましたし、驚くほどトントン拍子に仕上がりました。とはいえ、虚淵さんも全話にわたるオリジナルアニメの脚本は初めてだったこともあり、アニメに落とし込むにはいくつか課題もあったわけですが、新房監督が「まずはやってみよう」と。だから監督の度量の広さには感謝しています。
−−テレビの第3話では、ヒロインの一人が衝撃的な死を迎えて話題となりました。予想していましたか?
半々かな。もちろん(作品として面白いという)信念はあったけれど、視聴者全員が付いてきてくれるとは思っていなかったので。予想以上の反応でしたし、3話が終わった後は空気が変わりました。実は後から見直すと、このシーンはただショッキングなだけではなく、(ヒロインの死が)起こった後の(ヒロインの一人)ほむらのせりふも見事なんです。虚淵さんの脚本とシャフトの演出が見事としかいいようがないですね。
−−他のシーンで印象に残っているのは?
第7話の最後、さやかが自らを痛めつけて魔女と戦うシーンは、私も見ていて泣けましたし、各話に見どころのある本当にすごい作品です。結末も、100%のハッピーエンドでも、バッドエンドでもない。皆が感動できたと思います。
−−放送時は、ほぼ情報を出さない異色の宣伝も話題になりました。
4者の組み合わせで制作するのが、最大の売りと思ったからです。また脚本が面白く、続きが気になるワクワク感があったので。幸いなことに(制作チームで)反対の声もありませんでした。
−−テレビアニメの放送後に、映画の公開が発表されます。
テレビアニメが多くのファンに受け入れられた後、「まどかマギカの世界をまた作りたい」とメンバーで話し合ったんです。最初はテレビアニメにするか、劇場版アニメにするかを検討して、後者に決まり、それを受けてシナリオを作成しました。ただ完全新作を作るのは大変で「13年公開」と定めた後で、「まだ『まどかマギカ』を知らない人のためにテレビアニメの(総編集をした)劇場版も作ろう」となりました。だから今回の新作は、知らない人が見ても楽しめますが、劇場版の前2作、もしくはテレビアニメを知っているとより面白くなるようにしています。
−−新編の脚本を読んだ最初の感想、映画の見どころは?
月並みな答えですが、面白かったですよ。テレビアニメのときもですが、あまり脚本会議をした記憶がないんです。新編では、それぞれの魔法少女に見せ場があるので、そこはさすがだと思っていただけるはずです。また、アフレコ収録時の役者さんの反応も楽しかったですね。(脚本を見て)ざわざわしているところもありましたし。
−−「クライマックス」とうたっていますが、本当に今後は何もないのでしょうか?
現状は白紙なんです。個人的にはチャンスがあればと思います。
−−最後に作品を楽しみにしているファンに向けて一言。
フラットに見て楽しんでもらえれば。原作ものは、オリジナルのキャラや敵が出ても(原作に影響を及ぼさないよう)元の世界に戻るのですが、オリジナルは違います。だから私も観客の反応が楽しみです。テレビアニメを見たみなさんは、タイムリープ(時空の移動)や並行世界があることは分かっていると思いますから、いろいろな想像をした上で足を運んでください。それも楽しみの一つだと思います。
いわかみ・あつひろ=1972年群馬県生まれ。1997年にアニプレックスに入社、現在は執行役員。代表作に「<物語>シリーズ」「Fate/Zero」「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」「劇場版『空の境界』」など多数。
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