注目映画紹介:「プレーンズ」 高所恐怖症のプロペラ飛行機が世界一周レースに挑む

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 ディズニー/ピクサーの劇場版アニメ「カーズ」シリーズの世界観を基に、飛行機を主人公にした劇場版アニメ「プレーンズ」(クレイ・ホール監督)が21日に公開された。農場で働くプロペラ飛行機の主人公が、仲間たちの協力を得ながらレーサーとなり、世界一周レースの優勝を目指して奮闘する姿を描くファンタジーアドベンチャー作だ。日本語吹き替え版では、今作が声優初挑戦となる俳優の瑛太さんが主人公の農薬散布用飛行機ダスティを、ミュージカル俳優の井上芳雄さんがメキシコ出身の陽気な飛行機エル・チュパカブラを、日本代表の飛行機サクラを女優の仲里依紗さんが担当した。

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 田舎町の農場で働く農薬散布機のダスティ(声・瑛太さん)は、世界一周レースに出場しチャンピオンになることを夢見ていたが、レース用ではない上に飛行機でありながら高所恐怖症のため低空飛行しかできなかった。ダスティは、親友の燃料トラックのチャグ(声・天田益男さん)とフォークリフトのドッティ(声・甲斐田裕子さん)の協力や、伝説の元海軍飛行教官の戦闘機スキッパー(声・石田太郎さん)の指導により、世界一周レースへの出場権を獲得する。世界各国のトップレーサーが集う中、善戦するダスティの前に世界最高峰のヒマラヤ山脈が立ちはだかり……という展開。

 愛らしいキャラクターたちが魅力の今作は、その愛らしさの裏に徹底したリアリティーへのこだわりがあふれている。飛行機の構造にはじまり、その飛び方やレース戦略など多岐にわたる。農薬散布機は300メートル以上の高度を飛んではいけないという規制によるダスティの高所恐怖症という設定にまでリアリティーの追求は及ぶ。もちろん肝心のレースシーンもスピード感抜群で、大空を自在に駆け回る楽しさがある半面、高いところが苦手な人は少し注意が必要かもしれない。絶対的な強者ではない主人公が運命を切り開いていく姿には、どこか心打たれる。声優初挑戦という瑛太さんの声も、想像を超えたトーンで楽しませてくれる。TOHOシネマズ六本木ヒルズ(東京都港区)ほか全国で2D、3Dで公開中。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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