人気アニメ「機動戦士ガンダム」シリーズの生みの親として知られる富野由悠季監督が20日、東京都内で行われた「機動戦士ガンダム35周年プロジェクト」発表会で自らが手がけるガンダムシリーズの最新作「ガンダム Gのレコンギスタ」(今秋公開予定)について説明。タイトルに含まれた「G」や、造語だという「レコンギスタ」に込めた意味について明らかにした。
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富野監督は、作品名について「ガンダムは冠していますし、当然『G』にはガンダムが含まれていますが、『G』の一番大きな意味は、『ガンダム大地に立つ』の『GROUND』の『G』です」と説明。「レコンギスタ」は、中世イベリア半島での国土回復運動を指す「レコンキスタ」に由来する造語だといい、「『レコン“ギ”スタ』でなければいけないのは、濁点が入っていないと売れないから!」と笑わせながらも、「レコンキスタではなく、レコンギスタにした意味づけも、世界観の中には取り込んだつもりです」と強調した。
「ガンダム Gのレコンギスタ」は、機動戦士ガンダム35周年記念作品の一つで、2005~06年に3部作として公開された劇場版アニメ「機動戦士Zガンダム」以来、8年ぶりに富野監督が制作するガンダムシリーズの長編作品。ファーストガンダムで描かれた宇宙世紀の次の世紀「リギルド・センチュリー」を舞台に、宇宙エレベーターを守る組織「キャピタルガード」のパイロット候補生・ベルリ・ゼナムの冒険を描く。
35周年プロジェクトの記念すべき発表会の場で、富野監督は「大人たちのやってきた(ガンダムに関する)ビジネスシステムがこれから50年続くとは思っていません。新しいコンテンツやメッセージがいるのではないかと考えて、僕なりにあるのが『Gのレコンギスタ』です」と説明。「ガンダム以後、どのように世代を乗り越えて伝えていくか、どういうメッセージを伝えていくかは、この15年くらいは本気で考えるようになりました。が、それを具体的に形にできずに今日まで来てしまったけれども、『Gのレコンギスタ』という形でようやく日の目を見ることができました」と実感を込めた。
さらに、新作の内容について、「『(機動戦士ガンダム)THE ORIGIN』と『ユニコーン(機動戦士ガンダムUC)』までのファンとは違う、あなたたちファンがお育てになられているお子たちに見てもらうものにしたい。そういうものが、ガンダムというフィールドの中から作ることができるのではないかということを示せたと思うし、示すつもりで制作に入っています」と熱弁をふるい、「評価は終わってみないと出てきませんが、この年にしてはよくやったとうぬぼれているところはあります。そういう意味では、すごく単純な意味で、こうご期待。お子たちに対して、お孫さんたちに対して、伝えていただけるとありがたい」と呼びかけた。
なお、新作のメインスタッフも発表されており、富野監督が総監督を務め、キャラクターデザインは吉田健一さん、メカデザインは安田朗さん、刑部一平さん、山根公利さん。デザインワークスはコヤマシゲトさん、西村キヌさん、剛田チーズさん、内田パブロさん、沙倉拓実さん、倉島亜由美さんで、色彩設計は水田信子さん、美術は岡田有章さん、音楽は菅野祐悟さんがそれぞれ担当する。詳細については後日発表される予定。
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