注目映画紹介:「フルスロットル」ポール・ウォーカー最後の主演作 得意のカーチェイスも

(C)2013 EUROPACORP−BRICK MANSIONS PRODUCTIONS INC.
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 昨年11月に交通事故で急逝したポール・ウォーカーさんが生前最後に撮り終えた映画「フルスロットル」(カミーユ・ドゥラマーレ監督)が6日に公開される。リュック・ベッソンさんが脚本を書いた「アルティメット」(2004年)が原案で、ウォーカーさんは警察官だった父を殺され、犯人逮捕に執念を燃やす潜入捜査官ダミアンを演じている。「トランスポーター3 アンリミテッド」(08年)や「96時間/リベンジ」(12年)といったベッソン作品で編集に携わり、「トランスポーター4(仮)」の監督に抜てきされたドゥラマーレさんの初監督作だ。

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 デトロイト郊外にある暴力とドラッグがはびこる無法地帯「ブリックマンション」。その地を仕切るマフィアが、中性子爆弾を奪い起動させた。爆発すれば、デトロイト一帯が壊滅する。潜入捜査官のダミアン(ウォーカーさん)は、マフィアに恋人を誘拐されたリノ(ダビッド・ベルさん)と手を組み、爆破を阻止すべく、命懸けのミッションに挑む……というストーリー。

 今作には、「パルクール」アクションがいたるところに登場する。パルクールとは、肉体のみで街中のあらゆる障害物をクリアし、効率的に移動する方法をいい、跳び箱の閉脚飛びよろしく窓を飛び越えそのまま地上に着地したり、壁をよじ登り、ビルからビルに飛び移ったりと、ワイヤを使わない流れるようなその動きには目を見張る。リノを演じるベルさんはパルクールの共同創始者で、「アルティメット」にも出演、驚異の身体能力を披露していた。そのベルさんに負けじとアクションを披露するウォーカーさん。カーチェイスシーンもあり、ハンドルを握るウォーカーさんの表情には、真剣さの中にも運転を楽しんでいる様子がうかがえ、生前、車好きだったことを思い出させる。銃撃戦やパルクールによる生身のアクションもさることながら、強くてカッコいいウォーカーさんの姿が見られることが、ファンにはうれしい。6日から新宿ピカデリー(東京都新宿区)ほかで公開。(りんたいこ/フリーライター)

 <プロフィル>

 りん・たいこ=教育雑誌、編集プロダクションをへてフリーのライターに。映画にまつわる仕事を中心に活動中。大好きな映画はいまだに「ビッグ・ウェンズデー」(78年)と「恋におちて」(84年)。

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