女優の上白石萌音さんが舞台「みえない雲」で初主演を務めることが22日、明らかになった。チェコ出身のグードルン・パウゼヴァングの小説が原作で、原発事故に巻き込まれる少女という難役に挑戦する上白石さんは原作を読んだといい、「とても衝撃的でした。多くのものを背負った少女を演じきれるのかどうか不安にもなりました」と不安を吐露しつつ、「『舞妓はレディ』の撮影現場で周防正行監督に教えていただいた、『役と向き合う』ということを大切にして頑張りたいです」と前向きに語っている。
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「みえない雲」は、世界13カ国で翻訳され、2006年にドイツで映画化された作品を日本で初舞台化する。ドイツの田舎町シュリッツで、ある日突然起きた原発事故をきっかけに、14歳の主人公ヤンナ・ベルタ(上白石さん)の穏やかな日常が壊れていく……というストーリー。
上白石さんは、自身が演じる14歳の少女について「原子力発電所の事故によってたくさんのものを失います。でも決して自分を見失わず、現実を受け入れていくとても強い心を持った女の子だと思います」と話し、「今回の舞台を通して少しでもヤンナ・ベルタに近づきたいな、と思います」とコメントしている。
演出を手がける瀬戸山美咲さんは、上白石さんの起用理由を「不安、哀しみ、怒り、それでも生きていく強さ……。そういった変わりゆく感情を表現できる女優さんを探していた時、彼女(上白石さん)に出会いました。私たち大人は、彼女の前でうそをつけない。少女と大人のはざまにいる、今の彼女にしかできない役です」と説明している。舞台は12月10~16日にシアタートラム(東京都世田谷区)で上演される。