劇場版アニメ「サマーウォーズ」(2009年)や「時をかける少女」(06年)などで知られる細田守監督の「おおかみこどもの雨と雪」(12年)以来3年ぶりの新作が11日、発表された。新作は「バケモノの子」で15年7月11日に公開予定。化け物と出会った少年の成長を描く冒険活劇になるという。
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「バケモノの子」は人間界「渋谷」とバケモノ界「渋天街(じゅうてんがい)」の二つの世界を舞台に、ひとりぼっちの不幸な少年がバケモノの世界に迷い込み、身勝手な独り身のバケモノ剣士・熊徹(くまてつ)と出会って弟子入りし、九太(きゅうた)という名を授けられる。2人が修業を通して成長していく姿を描く。この日、東京都内で会見した細田監督は「ともに修業しながら成長していく物語。王道でありながら新鮮な内容になる」と話している。
細田監督は「今回のテーマは父と子。僕が子供のころにはいっぱいあった、ジャッキー・チェンやブルース・リーの映画のように修業して成長していく映画が気が付くとあまりなくなっていた。子供が多く人に影響を受けて大きく成長していく話を描きたいと思っている」と語った。アクションシーンも多いといい、「物語だけでなく、さまざまな要素でアクションをいかに引き立てるか。チャレンジとしてやっていこうと思った」と自身で原作と脚本も出がけている。また、東京都渋谷区を舞台にした理由を「アニメで渋谷を描いた作品があまりなかった。慣れ親しんだ街の中に冒険やわくわくしたものがつまっているのでは。人がいっぱいいて常に変化する場所としてこの地を選んだ」と明かした。
細田監督は1967年生まれ、富山県出身。91年に東映動画(のちの東映アニメーション)に入社。05年にフリーとなり、「時をかける少女」(06年)や「サマーウォーズ」(09年)を製作し、高い評価を得る。11年にアニメ制作会社「スタジオ地図」の設立に関わり、12年7月に「おおかみこどもの雨と雪」が公開され、興行収入42億円のヒットとなった。
「バケモノの子」は日本テレビとスタジオ地図が共同幹事となる作品で、海外の展開はフランスの「GAUMONT(ゴーモン)」社が担当。フランスでの公開もすでに決まっている。
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