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ひとり暮らし長~い芸人
11月21日(木)放送分
架空の特殊機関である警視庁科学特捜班「ST」の活躍を描くテレビドラマの劇場版「映画ST 赤と白の捜査ファイル」が公開中だ。今野敏さんの人気警察小説が原作で、スペシャルドラマ(2013年4月放送)の好評を受け、連続ドラマ(14年7月期)の放送に続き映画化。劇場版では殺人事件の容疑者となり逃亡するSTのリーダー格・赤城左門(藤原竜也さん)を、STの統括を任された百合根友久(岡田将生さん)らが追うというスリリングな物語が繰り広げられる。STメンバーの青山翔を演じている女優の志田未来さんと、同じく結城翠を演じている女優の芦名星さんに、それぞれの役どころや見どころ、シリーズの魅力などを聞いた。
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志田さんは青山を、芦名さんは翠を、期間が少し空いているものの、スペシャル版放送から長期間演じている。同じ役を演じ続けることを「スペシャルから連ドラまでの間に1年間空いたので、そこでまた青山に戻るというのは不思議な感じがしました」と志田さんは語る。「私もあまり続くという感じがなかった」という芦名さんは、「どんどんいろんなことにチャレンジしたくなったり、悩んでみたり、同じ役をやっているとはいえ、常にもっとこうだったのでは、こういうふうにやれるのでは(と感じていた)」と明かす。そして「(翠は)結構自由な役でもあったので、その中でどこまで自分がやるかという部分を追うことができた」と振り返り、「いつまでたっても翠さんを自分の中で問い詰めていくんだなと思い、これまもまた一ついい経験だなと」と笑顔を見せる。
性格に問題があるキャラクターを演じる2人だが、自身が演じる役に共感できる部分があるかと聞くと、志田さんは「実際そんなにないですね」と笑う。「青山の考え方とか相手を挑発してしまうところとかも、もうちょっとその一言を言わなければいいのに……と正直思ってしまう部分もある」とあまり共感できない理由を説明するが、「STを大切に思う気持ちは分かる気がします」と仲間を思いやる気持ちには理解を示す。
一方、芦名さんは「日常生活の中でなにかしらみんな悩んでいることやコンプレックスみたいなものはあって、それを彼女(翠)はああいう形で自分が生きる道を選んでいるけれど、自分はそこまで大胆にはいけないなとは思う(笑い)」と自身との違いを分析。しかし、「気持ちとは裏腹なところが各キャラクターの面白いところだと思っているので、少しうらやましいと思う部分もあったりする」と打ち明ける。「未来ちゃんが言うように、唯一STのことはなんだかんだ好きで大切だと思っている」、そんな仲間を思う気持ちには共感し、「(今作の出演者たちと)同じように大切な仲間というか、いい出会いをさせていただいたなと思います」と感謝する。
劇場版を撮影するにあたってのこだわりを聞くと、2人ともあまり変えてないといい、「映画を撮影しながらドラマを撮っていて、途中でドラマに戻ったりもあったので、あまり変えたりはなかった」という志田さんだが、「カツラをちょっと変えました(笑い)。映画版(のカツラ)は少し襟足が長いのは、ちょっとこだわりかな」と笑顔で語る。一方、芦名さんは「内容も撮影の始まり方もそうですが、自然な流れでそしてつながっている話なので、変えるという意識がある入り方ではなかった」と説明する。その上で「翠さんについては、ドラマは10話分で何個でも出せたのですが、映画の場合は衣装のポーズ数が少なかった」ため、「衣装さんが『これなんかよかったみたい』など今まで評判がよかった色と形を厳選して選んだ感はあった」と衣装選びにはこだわったことを明かす。
ちなみに、青山は「秩序恐怖症」、翠は「閉所恐怖症」とそれぞれ難があるが、2人にも何か“難”があるかと質問すると、「すごいピンポイントですが、ベッドの上に服のまま乗ったり、物を置いたりするのがすごく嫌」という志田さんは、「自分もですが、友達が来た時とかに座られたりするのはすごく恐怖。自分もどんなに眠くても絶対に乗れないし、物を置けない」とやや潔癖気味だと告白。続いて芦名さんが「私もピンポイントで虫」と答えたところ、志田さんが「(虫は)ピンポイントじゃなくて結構大きいですよね(笑い)」と指摘し、2人は顔を見合わせて笑った。
今作の人気の理由の一つに、軽妙な掛け合いをしつつ深読みもできる藤原さん演じる赤城と岡田さん演じる百合根の関係がある。2人の関係を志田さんは「すごくバランスが取れている」といい、芦名さんは「私にはすごくお似合いの2人に見える」と感じているという。芦名さんは「お互いが支え合って、悪いところを補い合っている」と見事に補完し合っていることをたたえ、「(映画の中で)親友というんですけど、本当に親友というのはこんな感じなのかと思うぐらい、素晴らしい関係だと思います」と表現する。
そんな赤城と百合根だが、バディを組むならどちらがいいかを聞くと、志田さんは百合根、芦名さんは赤城を選んだ。志田さんは「百合根さんはあまり人を困らせることをしないと思うので、普通の会話が成立して、普通に安定したコンビとしてやっていけそうな気がする」と常識人のところを評価し、「あまり振り回されたりとか、自分が赤城さんを百合根さんみたいにうまく抑えることはきっとできない」と赤城を選ばなかった理由を説明する。
志田さんとは逆に赤城を選択した芦名さんは、その理由を「任せとけばいいかなと」と言ってちゃめっ気たっぷりに笑う。「一緒にやるとなっても必要な時だけ話して、あとは黙ってついていけばいいのかな。だって天才ですから」と赤城の能力を絶賛し、「百合根さんは『暑いですね』とか言いそうじゃないですか。赤城さんはそういうのがなくてスマートで、ただそれについていけばいいかなと思って」と赤城を選んだ決め手を打ち明ける。
そんな対照的な理由でバディを選んだ2人に、初めてはまったポップカルチャーを聞くと、「マンガです。夢が詰まっている」と志田さん。「(尾田栄一郎さんのマンガ)『ONE PIECE』を見て思いました(笑い)。マンガは、どの設定でどこまでいっても“リアル”。すごくはまっていて、今でも大好きです」と笑顔で語る。一方、「すごく変かもしれませんが、ジャッキー・チェンの映画」と答えた芦名さん。「私、兄が2人いるので、アニメとかも『魁!!男塾』とか『銀牙−流れ星 銀−』とかは今でも覚えているぐらい、繰り返し見ました」と説明。「男の子っぽいものが結構好きだった」と意外な一面を見せる。
改めて「ST」シリーズの魅力を聞くと、志田さんは「ほかの作品にはない個性的なキャラクターが何人もそろっているところ」と言い切る。「ほかの作品だと1人か2人特殊な方がいてというパターンが多いと思いますが、(『ST』は)出てくる人出てくる人、みなさん特殊で、みなさん何かしらコンプレックスがあって、どこかしら人と違うところがある」と登場人物に着目し、「そこが魅力的で、だから面白いのかなと思う」と分析する。
芦名さんは「なさそうでありそうなところ」を魅力に挙げ、「一人一人のキャラクターもなかなかのくせ者、厄介者ですが、自分の中にもなんとなく分かるみたいなのがあるから受け入れられる気持ちがある」と共感できる部分も多いことを挙げる。「面白くて、そしてすごく真面目で、天才だけどちゃんと現代を生きている自分たちにも共通する部分があるというところが面白いのでは」と語る。
映画の見どころについて、志田さんは「ドラマではSTメンバーが一応団結して解決していましたが、今回は“赤城・百合根対STメンバー”という部分が見どころ」と対決部分を強調し、「ドラマを見ていた方は違った楽しみ方ができるのではないかなと思います。テンポもすごく速くて、見ていてすごくあっという間で楽しい」とアピールする。また演じた青山は「赤城さんを“鬼ごっこ”で必死に追い掛け、青山がいろんな情報をフル回転で紹介しているのでぜひ、見ていただきたい」とアピールする。
芦名さんは「翠さんの特徴でもある衣装を楽しんでほしい」と笑顔で語り、「最終段階といいますか、チームワークも含め百合根さんと赤城さんとの関係がすべてが詰まっているので、すっきりしに、そして笑いに来てもらいたいと思います」と力を込める。そして、「(ドラマを)見ていない方も、こんなに個性的なキャラクターが出ている映画はなかなかなくて、全員が強烈です。難事件を解決するというのは初見でも楽しめる部分だと思うし、ちょっと厄介者が集まっている刑事ものとしても映画としても面白いと思います」とドラマを見ていなかった人に向けてメッセージを送った。映画は全国で公開中。
<志田未来さんプロフィル>
1993年5月10日生まれ、神奈川県出身。2000年に女優デビュー。05年放送のドラマ「女王の教室」(日本テレビ系)で注目を集め、06年放送の「14才の母」(日本テレビ系)で初主演。10年公開のジブリ作品「借りぐらしのアリエッティ」では主人公・アリエッティの声を担当した。おもな出演作として、映画は「誰も守ってくれない」(09年)、「遺体 明日への十日間」(13年)など、ドラマは「信長のシェフ」(テレビ朝日系)、「なるようになるさ。」(TBS系)などがある。
<芦名星さんプロフィル>
1983年11月22日生まれ、福島県出身。2003年放送のテレビドラマ「Stand Up!!」(TBS系)でデビューし、「恋骨・劇場版」(04年)で映画に初出演。07年には、加・仏・伊・英・日合作の映画「シルク」(07年)で主人公を魅了する少女役に抜てきされ注目を集める。おもな出演作に、ドラマでは「ブラッディ・マンデイ」シリーズ(TBS系)、NHK大河ドラマ「八重の桜」、映画では「七瀬ふたたび」(10年)、「かずら」(10年)、「源氏物語 千年の謎」(11年)などがある。
(インタビュー・文・撮影:遠藤政樹)
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2024年11月25日 18:00時点
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