話題の書籍の魅力を担当編集者が語る「ブック質問状」。今回は、虚淵玄(うろぶち・げん)さんが劇場版アニメ「楽園追放 −Expelled from Paradise−」を製作するにあたって影響を受けたSF小説を集めた「楽園追放 rewired サイバーパンクSF傑作選」(早川書房)です。同社の塩澤快浩さんに作品の魅力を聞きました。
ウナギノボリ
解説:新たな“最高峰”を目指したガンプラ 45周年のこだわりとは
−−この書籍の魅力は?
劇場アニメ「楽園追放 −Expelled from Paradise−」の世界を構築するにあたり、脚本の虚淵玄さんが影響を受けたサイバーパンクSFの傑作を8編収録した本です。サイバーパンクというのは、1980年代のSF界を席巻した革命運動なのですが、ここでは虚淵さんのまえがきでも紹介されている、あの伊藤計劃さんの定義、「テクノロジーが人間をどう変えていくか」という“問い”を内包している作品、ということで良いと思います。
−−書籍が生まれたきっかけは?
もともとは「楽園追放」の関係者の方から、本作にちなんでポスト・アポカリプスもの(崩壊後の世界を舞台にしたSF)のアンソロジーを作りませんか、というご提案がきっかけでした。そこで、虚淵さんにインタビューさせていただいたところ、ポスト・アポカリプスものというより、神林長平氏やウォルター・ジョン・ウィリアムズなどのサイバーパンクSFの影響が大きいというお話でした。そこで、SF翻訳家の大森望さんにご協力いただき、ウィリアム・ギブスンやブルース・スターリングの初期名作から、藤井太洋、吉上亮の最先端作品までを選んでいただきました。
−−読者の反応は?
やはり、普段は活字のSFを読まない若いアニメファンの皆さんに読んでほしいと思っていました。実際は20~40代の幅広い世代の方に楽しんでいただいているようです。まあ、男性がほとんどではありますが。あとは、こんなサイバーパンクの名作の影響を受けているアニメなら見てみたいな、という逆の反響もあってうれしかったですね。
−−編集者として、この作品に関わって興奮すること、逆に大変なことについてそれぞれ教えてください。
単なるノベライズではない、活字のSFとアニメーションとの回路を作れたことでしょうか。今後もいろいろと企画していきたいと思います。大変だったのは、実は翻訳SFの編集をしたのが人生で初めてだったことと、それぞれ8人の著者と訳者がいるので事務処理の膨大さですね。
−−最後に読者へ一言お願いします。
映像も活字も、SFはどちらも面白いものです。ぜひよろしくお願いします。
早川書房 第2編集部 塩澤快浩
真島ヒロさんの人気マンガ「FAIRY TAIL(フェアリーテイル)」の正統続編「FAIRY TAIL 100 YEARS QUEST」が原作のテレビアニメ「FAIRY TAIL …
人気ゲーム「勝利の女神:NIKKE」が「NIKKE THE STAGE」として舞台化され、6月6~9日にこくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都渋谷区)で上演される…
人気アニメ「機動戦士ガンダムSEED」シリーズの完全新作劇場版「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」に登場するフォースインパルスガンダムSpecIIのフィギュア「METAL…
「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載中のマンガ「カグラバチ」のコミックス第2巻が5月2日に発売され、デジタル版を含む累計発行部数が20万部を突破することが分かった。同作は外薗健さ…
「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載中の堀越耕平さんのマンガが原作のテレビアニメ「僕のヒーローアカデミア」の第7期の初回放送日の5月4日に特番「決戦の時が来た!」がYouTube…