ドラえもん
大みそかだよ!ドラえもん 1時間スペシャル 「年越しはスペインで」他
12月31日(火)放送分
新年度を迎え、多くの新作アニメが放送をスタートした。週に約100本(再放送含む)のアニメを視聴する“オタレント”の小新井涼さんが今年の“春アニメ”を全部見て傾向を分析した。
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新年度のスタートにあたる“春アニメ”は、とにかく本数が多いのが特徴です。今年も例に漏れず、50本以上ものタイトルが放送を開始しました。そんな多彩なラインアップの中で、個人的に今期を特徴づけているといえそうなのが“学園もの”と“アクション”という二つのキーワードでした。数ある新作アニメを視聴する中でこの言葉が浮かんできた理由と、そこから分かる春アニメの特徴を考察してみます。
“学園もの”というキーワードが浮かんだ理由としては「主な舞台が学校」という作品が15本以上あり、単純に全視聴していて意識させられる機会が多かったということがあります。
しかし多いからといってどれも似通っているということはもちろんなく、学園生活の中でも特に部活動に焦点をあてた「響け!ユーフォニアム」や、生徒ではなく破天荒なYD(やりたいことしかできない)病教師が主人公の「電波教師」、自動車会社のスバルが参加することでも注目の学園ファンタジー「放課後のプレアデス」など、“学園もの”という共通ワードを持ちながらも個々の作品のコンセプトはバラエティー豊かでしっかりと差別化されています。
逆に本数が多い中で、人が搭乗するメカ・ロボものが「シドニアの騎士 第九惑星戦役」ぐらいという少なさだったことには少し驚きました。
そのこともあってか印象的だったのが、秘密結社「ライブラ」のメンバーによるアメコミ映画のようなド派手なバトルが魅力的な「血界戦線」や、バラバラな戦闘方法の「ブラックラベル」がみせる息のあったチームプレーが痛快な「トリアージX」、交渉や策略などの静かな頭脳戦とスピーディーで火力の高い戦闘シーンとのギャップに息をのむ「攻殻機動隊AAA」などの、生身の“アクション”に見応えがある作品です。
世界観がハードであったり、物語がやや難解であっても、それらの爽快なアクションシーンは潤滑剤となり、作品を見やすくもしてくれています。
以上のように“学園もの”と“アクション”という二つのワードが印象に残ることから、今期は「新たなアニメ視聴者が入り込みやすいクール」だといえるのではないでしょうか。
新年度にあたる春は、入学や入社などで新生活を迎え、生活形態が変わる人も多いと思います。それに伴い、新しい学校やバイト、仕事が終わって、先月までと違った時間にテレビをつけたら、たまたまやっていた作品を何の気なしに見続けてしまった……というように、今まで深夜アニメに触れることがなかった人にも視聴の機会が増えるかもしれないのです。
今までもアニメを見ていたという人も、1人暮らしなどをきっかけに、自由な時間や使えるHDDの容量が増えて、より多くの作品を視聴できるようにもなるかもしれません。家族がいるとちょっと見づらい作品も見やすくなりますよね。
そんな変化が起こるタイミングで、今年は比較的気軽に入り込めそうな学園ものや、見やすいアクションが多いというのは意義深い気がします。新しい視聴者の参入を例年よりも後押ししてくれそうな気がしますし、より多くの作品に触れるきっかけになるのではと期待しています。
さて、最後にそんな魅力的な作品群の中から独断と偏見による今期のアニメベスト3を紹介させていただきます。視聴作品を悩んでいたら、ひとつの参考にしてみてください。
1位「終わりのセラフ」
豪華な制作陣や話題性のある宣伝もあり、放送前から期待していましたが、その期待を上回る映像や音楽の美しさ、見てるそばから先が気になる劇的な展開に一気に引き込まれて、1話目からその世界観のとりこになってしまう作品です。
2位「俺物語!!」
主人公・猛男のインパクトやコミカルな演出もあり、普段少女マンガを見ない人にも全力でおすすめできる作品です。丁寧に描かれた魅力的なキャラや人間模様で恋愛もの特有の切なさやときめきもしっかりと味わうことができます。
3位「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」
“例の紐(ひも)”現象と言えば多くを語らなくても伝わるであろう話題性を放送開始と同時に起こした注目作。もちろん紐だけでなく本編でのヘスティア様のけなげさには魅了される人も多いはず。
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