「エクスペンダブルズ」シリーズのドルフ・ラングレンさんと「マッハ!」のトニー・ジャーさんが初共演した映画「バトルヒート」(エカチャイ・ウアクロンタム監督)が、25日に公開される。今作は、米ニュージャージーからタイのバンコク、カンボジアを舞台に、家族を殺され復讐(ふくしゅう)を誓う刑事と、それを追う刑事、そして人身売買を行うマフィア、FBIなどが入り乱れて闘争を繰り広げるアクション映画。アクションスター2人を中心に展開される肉弾戦や銃撃シーンなどは迫力満点で、目まぐるしく移り変わる見せ場の数々は圧巻だ。
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ニュージャージーとバンコクで互いの存在を知らず、同じマフィア組織を追うニック(ラングレンさん)とトニー(ジャーさん)という2人の刑事。ある日、ニックはマフィアのボスであるドラゴビッチ(ロン・パールマンさん)の恨みを買い、報復として家族を殺されてしまう。復讐に燃えるニックは、逃亡したドラゴビッチを追ってタイへと渡る。しかし、私刑をしようとするニックは危険人物として追われる身となり、現地ではすご腕刑事のトニーが待ち構えていた。さらにニックの行方を追うFBIもバンコクに降り立ち……というストーリー。
空手家として活躍したあと、映画「ロッキー4 炎の友情」での壮絶な死闘が強烈な印象を残したラングレンさんと、ムエタイで培った肉体から繰り出される驚異的なアクションが見どころのジャーさんという、アクション映画好きなら一度は見てみたい対決が、この映画で実現した。2人の体格や得意とする動きの違いから、まさに“剛対柔”という異種格闘技戦の様相を呈している。アクションシーンはその対比が見事で、持ち味をぶつけ合う肉弾戦はまばたきをする暇がないほど見入ってしまう。アクションもさることながら、物語も社会問題となっている「人身売買」に真正面から切り込んでいる。派手なアクションに目が行きがちだが、重厚かつ人間味あふれる物語にまとめられ、娯楽作でありながら考えさせられる。脇を固めるキャストも含め、アクションへの並々ならぬ思いが詰まった映画だ。丸の内TOEI(東京都中央区)ほか全国で順次公開。(遠藤政樹/フリーライター)
<プロフィル>
えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。
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