黒牢城:カンヌ映画祭でお披露目 本木雅弘、菅田将暉らがタキシード姿で 1000人総立ちに黒沢清監督も感激

カンヌ映画祭に登場した映画「黒牢城」の(左から)青木崇高さん、菅田将暉さん、黒沢清監督、本木雅弘さん、宮舘涼太さん (C)Kazuko Wakayama
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カンヌ映画祭に登場した映画「黒牢城」の(左から)青木崇高さん、菅田将暉さん、黒沢清監督、本木雅弘さん、宮舘涼太さん (C)Kazuko Wakayama

 米澤穂信さんの傑作ミステリーを、本木雅弘さん主演で映画化した「黒牢城」(黒沢清監督、6月19日公開)が、現地時間5月19日、フランスで開催中の第79回カンヌ国際映画祭の「カンヌ・プレミア」部門で世界初上映された。

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 現地には主演の本木さんのほか、菅田将暉さん、青木崇高さん、人気グループ「Snow Man」の宮舘涼太さん、黒沢清監督が参加。「Salle Debussy(ドビュッシー・シアター)」での公式上映は、1000席を超える場内が満員の観客で埋め尽くされ、熱気に包まれた。会場には、是枝裕和監督をはじめ、濱口竜介監督、深田晃司監督、石川慶監督、岨手由貴子監督らの姿もあったという。

 エンドロールが流れはじめた直後から1000人の観客が総立ちになり、拍手が鳴り止まないスタンディングオベーションに。黒沢監督は本木さんや菅田さんらと握手を交わし、客席に深々と一礼し、笑顔で喜びを分かち合った。

 黒沢監督の作品が同映画祭に出品されるのは、2001年の「回路」(第54回、ある視点部門)、2003年の「アカルイミライ」(第56回 、コンペティション部門)、2008年の「トウキョウソナタ」(第61回、ある視点部門審査員賞受賞)、2015年の「岸辺の旅」(第68回、ある視点部門監督賞受賞)、2017年の「散歩する侵略者」(第70回、ある視点部門)に続いて6度目。

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 米澤穂信さんの「黒牢城」(角川文庫/KADOKAWA)は、2021年に刊行され、第166回直木賞と第12回山田風太郎賞のダブル受賞など数々の賞に輝いた人気作。戦国時代の有岡城が舞台となり、君主・荒木村重(本木さん)は暴虐な織田信長のやり方に反発し、籠城作戦を決行するが、怪事件が次々と起こる。容疑者は密室と化した城内に居る家臣や身内の誰か……。誰もが疑心暗鬼になっていく中で、村重は牢屋に囚われた危険な天才軍師・黒田官兵衛(菅田さん)と共に事件の解決に挑む……という戦国系心理ミステリー。黒沢監督にとってキャリア初の時代劇となる。6月19日に公開予定。

 上映後のキャスト、黒沢監督のコメントは以下の通り。

 ◇本木雅弘さん(荒木村重役)のコメント

 私にとっては、60歳にして初めてのカンヌでした。短い時間でしたが、一生語れる思い出ができたという「お伊勢参り」だったかな、と(笑)。上映会を終えて、一言では語り切れない喜びがありました。

 カンヌ映画祭に参加できたことは、第一に黒沢監督に対する皆さんの信頼度と期待、リスペクトの“御裾分け”で自分がここにいるという気持ちは、最初からずっと感じています。

 日本人でも理解するのが難しいかもしれない時代劇という異文化を、どんなふうに解釈してくれるんだろうと少し不安に感じていましたが、人間のもつおかしみや滑稽な姿、真実が見え隠れするシーンではクスクスと笑いが起きたりもしていて。さらには、原作のもつ、そして黒沢監督が脚本の中でアレンジした本作が伝える“現代へのメッセージ”を、セリフが無い無音の中でも感じ取っていただけているような、皆さんがスクリーンに惹きつけられている姿を、確かに肌で感じました。

 ◇菅田将暉さん(黒田官兵衛役)のコメント

 ミラクルな初体験でしたし、日本の試写会で見たときよりもリラックスしてお客さんとしても楽しめたような、不思議な時間でした。

 (観客の反応は)想像以上に笑いが起こったり、日本の言葉遊びみたいなところも伝わってるような、皆さんと一体感が感じ取れてとても誇らしい気分でした。

 ◇青木崇高さん(荒木久左衛門役)のコメント

 心地良い安堵(あんど)感に包まれて、体がポカポカするような気持ちです。本編が始まる前に、配給会社をはじめ関わった会社が映されるだけで拍手が起きたりするのは、カンヌ映画祭ならではだなと感じました。拍手に包まれている時間は照れくさい時間でもありましたが、会場を後にするときは急激な寂しさも感じて……。そういうのも全部含めて、とても幸せな気分になっています。

 これからの人生で作品に向き合う時に、今日の瞬間を、多分思い出すんじゃないかな、と思います。今後もずっと頑張っていける“糧”になるような、本当にうれしい瞬間でした。

 ◇宮舘涼太さん(乾助三郎役)のコメント

 すべてが初めての経験で、「カンヌに来ているな」という実感があります。観客の皆さんの反応を通して、日本の映画の良さを改めて感じることができました。自分にとっても、メンバーに対しても今後語り継ぐことができる、非常に貴重な経験ができました。

 正直、上映中はずっと緊張していました。ただ、最後にいただいたスタンディングオベーションが本当に温かくて。会場全体の熱意も感じられるようなものだったので、映画祭を皮切りにようやく「黒牢城」が色々な方々に届けられたなと実感して、そこで初めて安心できました。

 ◇黒沢清監督のコメント

 私のファンは、大勢の方がホラー好きなので、「これ、ホラーじゃないんだよな……。ガッカリされないかな」と、正直不安な思いで会場に入りました(笑)。

 私自身は、日本の時代劇を届けるという気持ちよりは普遍的な物語として皆さんの心に伝わってくれたらうれしいな、と思いながら作った映画ですので、上映後には、皆さんから温かい拍手をいただけて感激しました。

 カンヌをはじめいろいろな映画祭に参加してきましたが、上映後の拍手が皆さん本気で拍手してくれているな、祝福してくれているなと感じて、そんな経験は初めてでした。皆さんのおかげでこんな映画ができたことが何よりもこの経験につながっているんだな、と、しみじみ感じております。

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