米澤穂信さんの傑作ミステリーを、本木雅弘さん主演で映画化した「黒牢城」(黒沢清監督、6月19日公開)が、5月12~23日(現地時間)に仏カンヌで開催される第79回カンヌ国際映画祭のカンヌ・プレミア部門に正式出品が決まったことが分かった。
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「黒牢城」(英題:THE SAMURAI AND THE PRISONER)の原作(角川文庫/KADOKAWA)は2021年に刊行され、第166回直木賞と第12回山田風太郎賞のダブル受賞など数々の賞に輝いた人気作。荒木村重(本木さん)は暴虐な織田信長のやり方に反発し、籠城作戦を決行するが、怪事件が次々と起こる。容疑者は密室と化した城内に居る家臣や身内の誰か……。誰もが疑心暗鬼になっていく中で、村重は牢屋に囚われた危険な天才軍師・黒田官兵衛(菅田将暉さん)と共に事件の解決に挑む……という戦国系心理ミステリーだ。黒沢監督にとってキャリア初の時代劇となる。
今年のカンヌ映画祭は、「オールド・ボーイ」(2003年)などで知られる名匠パク・チャヌク監督が、韓国人としては初の審査委員長を務めることでも注目されている。同映画祭に2021年に新たに設けられた「カンヌ・プレミア」部門は、これまで細田守監督作「竜とそばかすの姫」(2021年)や北野武監督作「首」(2023年)、深田晃司監督の「恋愛裁判」(2025)などが選出。世界的に注目度の高い監督による「今、最も上映されるべき話題の新作」が一堂に会しプレミア上映されるセクションとして、世界中のメディアから高い関心を集めている。
今回の決定を受け、自身の主演作品が初めてカンヌ出品となった本木さんをはじめ、菅田さん、吉高由里子さん、公式部門への出品は6度目となる黒沢監督からコメントが到着した。コメント全文は以下の通り。
世界から黒沢監督へ、高い信頼度の賜物(たまもの)だと思います。個人的には、還暦にして初のカンヌ、好奇心を持って覗き、映画スタッフと日本の皆さんにお土産話を持ち帰ります。
ステレオタイプの侍ムービーではなく、新たな人間ドラマとしての魅力が伝わることを期待しております。
まずは、本当にうれしいです。
黒沢監督とは、海外の映画祭で初めてお会いしました。当時は別の作品で参加していましたが、そこからご縁がつながり、今回2本目として監督の作品に関わらせていただくことになりました。
海外でも高く評価されている監督なので、いつか自分が関わる作品でカンヌのような舞台に立てたら、という思いはどこかにありました。特別に狙っていたわけではありませんが、それがこうして形になったことを、素直にうれしく思います。
「黒牢城」は、時代劇でありながら会話劇でもある、日本でもあまり例のない作品です。この作品を海外の方々に届けられることには、確かな意味があると感じています。
字幕での上映にはなりますが、むしろ言葉が整理されることで、よりダイレクトに伝わる部分もあるのではないかと思います。
映画祭での観客の反応は、いつもシンプルで率直です。試写会とは違う、その場の空気の中で、この作品がどう受け取られるのかを見届けたいです。
この作品は、本来もっと自由に、思いきり笑って楽しんでいただける映画だと思っています。だからこそ、その反応を現地で感じられることを、強く楽しみにしています。
今回このような機会をいただけたことに感謝するとともに、この作品がしっかりと届くことを願っています。
このたび本作が出品されることとなり、大変光栄に思っております。作品に込められている想(おも)いや空気が、国や言葉を越えて多様な文化や価値観の中で、どのように受け取っていただけるのか、とても楽しみにしています。
主君織田信長に反旗をひるがえした戦国武将荒木村重の物語が、国境も時間も超えたカンヌで上映されると知り、たいへん驚いています。
幸運にも海外の人たちに、これは現代でも十分あり得ることだと腑に落ちていただけたなら、どんなにうれしいことでしょうか。
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