KANA-BOON:「NARUTO」の劇場版最新作「BORUTO」で主題歌担当 「ナルトは人生の支えだった」

シングル「ダイバー」をリリースしたKANA-BOON
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シングル「ダイバー」をリリースしたKANA-BOON

 4人組ロックバンド「KANA-BOON」が、人気マンガ「NARUTO-ナルト-」の劇場版アニメ最新作「BORUTO -NARUTO THE MOVIE-」の主題歌として制作したニューシングル「ダイバー」を5日にリリースした。昨年は、5枚目のシングル「シルエット」がテレビアニメ「NARUTO-ナルトー疾風伝」(テレビ東京系)のオープニングテーマになり、1年足らずで両者のコラボレーションが再び実現した。メンバー全員が「NARUTO」の大ファンというKANA-BOONに、新曲や「NARUTO」への思いなどについて聞いた。

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 ――テレビアニメのオープニングテーマ「シルエット」に続き、「NARUTO」の新作劇場版の主題歌を担当することが決まった時の心境は?

 飯田(めしだ)祐馬さん:「シルエット」ができた時もメンバー全員ですごく喜んだんですけど、その「シルエット」を(原作者の)岸本(斉史)さんに聴いてもらって、それで今回もやってほしいとちゃんと言ってくれて……。もう、好きな人に告白してオーケーをもらったみたいな感じで、いまだにちょっとフワフワしてるぐらい、すごくうれしいことでしたね。

 ――メンバーのほとんどがコミックス全巻を持っているというほど、皆さん「NARUTO」がお好きだそうですね。

 谷口鮪さん:主人公のナルトが火影(里一番の忍者)を目指して頑張るという話なんですけど、自分の言葉を曲げない強さ、ブレないところというのは、僕もバンドで飯を食っていくという夢を追う上で必要だったもので、すごく励みになったというか。そうやって、夢にどんどん近づいていくナルトを見ながら頑張れたので、ホントに人生の支えになりました。

 小泉貴裕さん:誰しもがぶつかる壁、思う気持ちとかがキャラクターごとに描かれていて、人それぞれにリスペクトできるキャラクターがいると思うので、それはほかにない魅力かなと思います。

 ――「ダイバー」の歌詞はどのようにイメージをふくらませて書き上げたんですか。

 谷口さん:ボルトの、父ナルトに対しての寂しさや悔しさみたいな気持ちが脚本で強く描かれてたので、自分たちがそういう感情を抱いた瞬間を思い出しながら書いていきました。バンドを始めて、でも全然見つけてもらえないというか、一生懸命やって、自分たちに自信もあって、でもそれがなかなか認められず……。大阪のライブハウスで始めた頃はそういうのがずっと続いてたので、その寂しさや悔しさは大きくて、いまだに忘れない。だから、この中で歌ってるのは、ボルトの気持ちであり、僕らのバンドの“今まで”と“今まさに”っていうところであり、という感じですね。

 ――サウンド的にはどうですか。

 古賀隼斗さん:映像を想像しながら作ったというか、イントロのフレーズでいうと、木の葉の里を上から見下ろしたような情景を頭に描きながら作ったり。今回は(忍術の一つ)螺旋(らせん)丸が結構キモになっているストーリーだったりもするので、間奏の部分では、螺旋丸の音に似た、波のような音になるエフェクターを使ったり。映像をそのまま具現化して音にするっていうのは、今回初めてやった試みですね。

 小泉さん:“ここは切ない感じかな”とか、そういうのを自分で感じ取りながら、全部の展開をちゃんと変えて、ストーリー性を持たせて作ったという感じです。

 飯田さん:BPM(テンポ)的にはそんなに速くない曲で、でもちゃんと“走っている感”とか、2番のAメロやったら、歌詞通り、ちょっと地団駄踏んでる感じとか、どの楽器もちゃんとそれ通りのアプローチをしてくれたお陰で、自分もそれにリンクしたベースができました。その場の雰囲気に合ったベースを弾けたなと思ってます。

 ――ところで、映画では親子の葛藤や絆が一つのテーマとして描かれていますが、皆さん、親子間のエピソードはありますか?

 古賀さん:僕は高校を出てから会社員として働いていて、やっぱり「会社を辞める」って言った時は親に反対されたんです。でも「バンドをメインでやりたい」っていうのを伝えると、応援する側にちゃんとなってくれて、今でも月1(回)で手紙をくれたり。すごくいい関係を築けていると思います。

 飯田さん:僕は結構、親不孝やと思います。バンドをするために家出しましたし。バイトに行くって言って、親父に自転車を借りてコンビニの夜勤に行って、そのまま5時間ぐらいチャリをこいで、鮪の家に転がり込んで……。たぶん、バンドをやっていると思ってなかったみたいで、バイトに行ってなかなか帰って来ないなって思われてたのかなと(笑い)。今思ったら、見捨てるとかじゃなくて、好きなようにやれっていう感じが自分の中ではすごくよかったんですよね。変にプレッシャーを与えられるわけでもなく。そりゃあ、めっちゃ迷惑かけてたんですけど、やっと今は音楽で一応メシを食えてるっていう状況があって、一番喜んでくれてるし、ちゃんと自分の親なんやなと思いました。

 ――なるほど。では最後に、改めて新曲についてメッセージをお願いします。

 小泉さん:ホントに「NARUTO」が好きで、脚本も読んで全力でいいものを作りたいと思って、ホントにいい曲ができたと思うんで、映画の描写もいろいろ感じつつ、曲もいいって思ってもらえたらうれしいなと思います!

 <プロフィル>

 谷口鮪さん(ボーカル&ギター)、古賀隼斗さん(ギター)、飯田祐馬さん(ベース)、小泉貴裕さん(ドラム)による大阪府出身の4人組バンド。2013年9月にシングル「盛者必衰の理、お断り」でメジャーデビュー。14年11月、テレビ東京系アニメ「NARUTO-ナルト-疾風伝」のオープニングテーマになった「シルエット」を5枚目のシングルとしてリリース。「シルエット」「フルドライブ」などのシングル曲を収録した2枚目のアルバム「TIME」を15年1月にリリースし、オリコンアルバム週間ランキングで4位となった。

 (インタビュー・文・撮影/水白京)

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