女優の長澤まさみさんが、アニメやゲームがヒット中の「妖怪ウォッチ」の劇場版アニメ第2弾「映画 妖怪ウォッチ エンマ大王と5つの物語だニャン!」(高橋滋春・ウシロシンジ監督、19日公開)にゲスト声優として出演している。五つのエピソードのうち、長澤さんは二つ目のエピソード「ジバニャンの華麗なる作戦」編で生前のジバニャンの飼い主・エミちゃんが大人になった声を担当。「声を褒められることが多い」という長澤さんに今作の見どころ、声優や女優の仕事について聞いた。
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長澤さんが声を担当したエミちゃんが登場するエピソードは、ジバニャンが8年後の世界にタイムスリップし、ジバニャンはそこでアカマルという名で生きていた頃の飼い主、エミちゃんを見つける。社会人になったエミちゃんは「大好きな洋服を作って世界中の人をハッピーにすること」を夢見てデザイナーの卵として働いていた。いじわるな先輩にいじめられている姿を目撃したジバニャンはロボニャンF型、ブシニャンらとともにこっそりエミちゃんを助けるために奮闘するが……というストーリー。
長澤さんは2008年にOVAで初声優を務めたのち、「妖怪ウォッチ」を手掛けているゲーム会社「レベルファイブ」のニンテンドーDS用ソフト「二ノ国」(2010年)、スタジオジブリの劇場版アニメ「コクリコ坂から」(2011年)で声優を務め、今回が声優としては4作目となる。ナレーションの仕事もいくつか担当したことがあり、「声を褒められることが多かったんです。自分がいいねといわれながらやる仕事って気持ちがいいものじゃないですか。技術的な部分で難しいところはもちろんありますけれど、うれしいですからね。だからいい意味で息抜きになります」と声の仕事にも手応えを感じている。
自分の声については「初めて映画に出演したとき、自分の声を聞いて、こんな声だったんだってびっくりしました。自分で聞いている自分の声はもっと落ち着いているし、すごくはきはきしゃべっているつもりなんです……」と意外だったようだが、「いいのか悪いのかは自分では分からないですけれど、わりと声の音域が広いそうなんです。意外といろんな声が出せるから、まだ出してない隠し玉があるのでこれからそれを出していきたいです」と前向きな姿勢を見せる。
今作の収録では「エミちゃんというキャラクターに対して、監督や(レベルファイブの)日野(晃博)さんたち作り手側の思い入れがすごく強いものがあって。1回とってみて、もうちょっとこういうふうにしたらいいんじゃないかという会議が長引くことが多かったですね」といい、エミちゃんは「丁寧に大切にされているキャラクターだったので、その分、責任重大でしたけど、悩みながら皆さんと一緒にキャラクター作りができてよかったなと思います」と充実感をにじませる。
エミちゃんの声については、「新入社員で自分の夢に向かって初々しく元気よく演じてもらえたらといわれました。あと自分でも気づいてなかったんですけど、年を重ねると声も落ち着いてくるということに今回、改めて気づいて。エミちゃんは新入社員だから、普段の声よりは高めに出そうと心掛けました」とキャラクターに合わせて声を作り上げていった。
今作の見どころについて、長澤さんは「大人が見ても心が温まるというか感動するストーリーがいくつも入っているので、親子で見に行ってほしいなって思います。私はケータ君が妖怪になる回(エピソード1『妖怪になったケータ』)がおすすめ。みんなけなげで、私は号泣しました。映画を見ると私、だいたい泣くんですよ。わりと素直なので(笑い)。本当にすごく感動して。ぜひ見てほしいです」とメッセージを送る。
アニメがもともと大好きという長澤さんは「小学生のときに『これから私はアニメしか見ないで生きていくのか』って不安を抱えて悩んだことがあって(笑い)。それぐらいアニメが好きでした。『ドラゴンボール』とか『幽☆遊☆白書』とかいっぱい面白いアニメがあった時期ですごく悩みました。どうしよう、大人になれないって(笑い)」とアニメ好きな一面を明かす。
そんな長澤さんは「妖怪ウォッチ」について、「いろんなタイプの絵のタッチがあって驚きました、少女マンガみたいなキャラクターが出てきたり、ゆるキャラみたいなタッチもあったり。絵のタッチがいろいろあって、そこが盛りだくさんな感じで、大人も子供も楽しめる秘訣(ひけつ)なのかなと思いました」と感じたという。
長澤さんは現在28歳。30代も視野に入ってきた。どんな30代を送りたいのだろうか。「30代って楽しいっていいますよね。20代はいろんなことを吸収する時間だったなと思うんですよ。なので、30代はその経験を生かして、落ち着いて歩いていけたらいいなと思います」とマイペースに成長していきたいという。
今後、声優として演じてみたい役柄は「敵役。悪役のような役をやってみたいですね」といい、女優としては「アクションをやってみたい」と目を輝かせた。
長澤さんは女優という仕事に対して「演じる醍醐味(だいごみ)は見てくれる人がいるということですね」と意義を感じている。そして「私は中途半端になるのが嫌なので、そうならないように自分がやってみたいことは続けていけたらいいなと思いますね。経験を積んで、重ねていきたいと思います」と高いプロ意識で臨んでいる。
次回は休みの日の過ごし方や憧れの女性像について聞く。
<プロフィル>
ながさわ・まさみ 1987年6月3日生まれ、静岡県出身。2000年、第5回「東宝シンデレラ」でグランプリ受賞。03年、映画「ロボコン」で初主演、同作で第27回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。04年、「世界の中心で、愛をさけぶ」で第28回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞・話題賞など数々の賞を受賞。06年にNHK大河ドラマ「功名が辻」、TBS系「セーラー服と機関銃」などの話題作に出演。映画「涙そうそう」で第30回日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞した。15年に映画「海街diary」(是枝裕和監督)に出演。16年はNHK大河ドラマ「真田丸」にきり役で出演、また出演した映画「アイアムアヒーロー」(佐藤信介監督、来春公開)、「グッドモーニングショー」(君塚良一監督・脚本、来秋公開)の公開が控えている。
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