名探偵コナン
#1146「汽笛の聞こえる古書店4」
12月21日(土)放送分
話題のマンガの魅力を担当編集が語る「マンガ質問状」。今回は、30歳の独身女性と近所に住む小学生男子が心を通わせていく姿を描いた高野ひと深さんの「私の少年」です。「漫画アクション」(双葉社)編集部の平澤彩さんに作品の魅力を聞きました。
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30歳OLの聡子さんと、12歳の小学生・真修くんが出会い、少しずつお互いが必要な存在となって……というお話なのですが、見どころは何といっても聡子さんと真修くんのキャラクターですね。聡子さんの30歳OLとしての感情をものすごく丁寧に、リアルに描写しているので、女性読者には共感できるところが多いと思います。特に、母親との確執や、元カレであり上司である男性との関係など、過去の傷を持っている人なので、すごく人間味があるんです。決して強い人間ではないけれど、強く生きようとしている姿に胸を打たれます。真修くんは、家庭環境に問題があり、どこか寂しそうなのですが、子供らしい純粋さやひたむきさを持っていて、一生懸命に生きるその姿が、もうただただ尊いという……。何といっても美少女と見紛(みまが)うほどの美少年が、高野先生の画力で説得力のあるものになっているので、そこだけでも拝んでほしいです!!
実は1巻のあとがきにも書いてあるのですが、もともとは男女年齢が逆のパターンで考え始めた企画だったんです。年上の男性と小学生の女の子、ということですね。あとがきでは、高野先生から「男女逆にしたらどうですか?」という提案があったことを、高野先生サイドの目線で書いています。「私の少年」にはふたり担当編集がいるのですが、その提案を電話で受けたのはもうひとりの担当でした。先生の提案を聞いて、無言になっている間にその担当が何を考えたかと言うと、「ここ最近の時流的に、嗜好は男女逆でも成立するのではないか」だったそうです。いま年の差恋愛ものがにわかに活気づいていますが、年上男性に年下女性ものはあっても、逆はすぐには思いつかない。……これはアリだ、と。沈黙の間そんなふうに考えていたことは、高野先生にも話していないそうです(笑い)。詳しくはぜひ1巻のあとがきをご覧ください!
正直苦労している点はそんなにないですね(笑い)。打ち合わせをしながら1話ごとの話の流れを決めていくのですが、だいたいの流れが決まって、ネームが上がってくると、こちらが想像していたよりさらに1段階上のクオリティーで仕上がってくるんですよ。特にキャラクターの感情面で、毎回ひとつエッセンスを投入してくれるので、ネームを読んでは毎度感動しています。
連載中の「月刊アクション」では、真修くんにあるトラブルが起こり、聡子さんに助けを求める……という話があるのですが、そういった流れで、よりふたりの結びつきが強くなっていくのではないかなと思います。あとは、1巻の冒頭で描いたシーンにどう行き着くのか、というのをまずは楽しみにしていただきたいなと思いますね。
とにかく読んでいただいた読者の皆様からの反響をたくさんいただいて、順調に重版を重ねておりまして、本当にありがたくて感謝しかありません。ありがとうございます! 皆様の感想を読んでいるだけで泣きそうになるので、気になっているけどまだ未読だよ、という方も、安心して一度読んでみていただきたいです!!(ハードル上げてしまったでしょうか……!笑い)
漫画アクション編集部 平澤彩
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