ポケットモンスター
ポケットモンスター音楽祭
5月15日(金)放送分
斉藤洋さんの児童文学が原作の劇場版3DCGアニメ「ルドルフとイッパイアッテナ」(湯山邦彦監督・榊原幹典監督)。夏の映画は注目作が集まった中、興行収入が13億円を突破するなどヒットを記録している。2014年公開の「STAND BY ME ドラえもん」(八木竜一監督・山崎貴監督)がヒットしたものの、日本の劇場版3DCGアニメは苦戦を強いられた作品もある。「ルドルフとイッパイアッテナ」は“日本ならでは”のCGアニメを目指したといい、その手法が受け入れられているようだ。同作を企画、プロデュースした日本テレビ映画事業部の岩佐直樹プロデューサーに製作の裏側を聞いた。
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日本テレビは、スタジオジブリや「バケモノの子」など細田守監督の劇場版アニメ製作に携わっていることで知られている。同局が劇場版アニメの“三つ目の柱”として考えているのが、3DCGアニメだという。岩佐プロデューサーは「世界的にアニメは3DCGが主流となっていますが、日本ではセルアニメが強い。ガラパゴス化していると言えるかもしれません」と話す。
1995年に世界初のフル3DCGの劇場版アニメ「トイ・ストーリー」が公開されて以降、ディズニーやピクサーは3DCGアニメを続々と製作している。岩佐プロデューサーは「日本のセルアニメは素晴らしいものもたくさんありますし、リスペクトしています。一方で日本ならではのCGアニメも作っていかなければいけない」という思いがあったという。
3DCGアニメを製作するにあたり、岩佐プロデューサーが目を付けたのが日本の児童文学だった。「子供だけでなく親も楽しめる作品が多い。親が子供のころに読んでいた作品を子供と一緒に教えていく。いつの時代も変わらず大切なことを教えてくれる普遍性がある。人間が言うと少し恥ずかしいことでも、ネコが話すとストレートに伝わる。そういう表現はアニメの本質の一つかもしれませんね」と説明する。
岩佐プロデューサーが児童文学を読みあさる中で、注目したのが「ルドルフとイッパイアッテナ」だった。同作は1987年の刊行以来、シリーズ累計100万部を超える児童文学で、岐阜で暮らすネコのルドルフは、ちょっとした間違いから長距離トラックに乗ったことで東京に来てしまい、人間の文字が理解できるしま模様のボス猫、イッパイアッテナと出会う……というストーリー。ルドルフは、イッパイアッテナと寝食を共にするうちにノラ猫として成長していく。アニメは、女優の井上真央さんがルドルフ、俳優の鈴木亮平さんがイッパイアッテナの声優を務めていることも話題になっている。
岩佐プロデューサーは「ネコの話だが行動、発言が人間社会へのメタファーとなっている。ルドルフがアイデンティティーを確立するという物語で、子供は子供、大人は大人でそれぞれ感じるところもあります」と同作に込められたメッセージにひかれたようだ。
アニメ「ルドルフとイッパイアッテナ」は。米国のSprite Animation Studios(スプライトアニメーションスタジオ)と「ポケットモンスター」シリーズなどのOLM、OLM Digitalが製作した。スプライトアニメーションスタジオは、OLMの関連会社で、海外の作品を中心に3DCGアニメを手がけてきた。米国を拠点にしているものの、スタッフは日本人が中心だという。また「ポケットモンスター」シリーズなどの湯山邦彦さん、スプライトアニメーションスタジオの榊原幹典さんが監督を務めた。
3DCGによって、ネコのリアルな毛並みや美しい背景などを作り込みつつ、こだわったのがドラマ作りだ。岩佐プロデューサーが「日本のセルアニメのよさを盛り込みたかった。湯山さんにはドラマ作りをしていただきました」と話すように、数々のアニメを手がけてきたベテランの湯山さんの手腕が発揮された。また、四季の変化を丁寧に描くなど日本らしさも演出した。
同作には“異色”のキャラクターも登場する。それはルドルフの友達のネコ・ブッチーだ。ルドルフやイッパイアッテナが日本的なキャラクターだとすると、ブッチーは米国のCGアニメのキャラクターのような造形で、動きも派手で極端だ。岩佐プロデューサーは「米国的なブッチーに対して、ルドルフたちは日本的。ブッチーの存在によって日本らしさが際立つと考えた」と説明する。
日本のセルアニメと3DCGアニメの魅力が融合することで、多くの人の心をつかんだ「ルドルフとイッパイアッテナ」。“日本らしい”3DCGアニメの一つの手本になっていくのかもしれない。
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