日本ラグビートップリーグのサントリーサンゴリアス、NTTコミュニケーションズシャイニングアークスなどで活躍し、今季から早稲田大学ラグビー蹴球部の指揮を執っている山下大悟監督が“世界最高峰”と言われるフランスのプロリーグ「TOP14」と同リーグに挑戦している日本代表の五郎丸歩選手について語った。早大OBの山下監督は、同じ早大出身で5年後輩の五郎丸選手について「ラグビーの歴史に残るような偉業を達成したレジェンドがさらなる挑戦をしている。自分が達成したことに満足するのではなく、さらなる高みを目指す。この決断は本当に素晴らしい」と絶賛し、「環境の変化で難しいこともあると思うけど、フランスでの活躍を期待しています」と話している。

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　さらに「彼が（大学）1年生の頃からサントリー（サンゴリアス）に練習に来たりしてよく接していました。1年生の時からキッカーを任されていたけど、彼を支えていたのは何よりも負けん気の強さ」と分析し、「トップリーグでは何度も対戦したけど、ボールを持った時の強さは抜群でした。僕はCTBなので、FBの位置から走り込んでくる五郎丸とマッチアップする機会はよくありました。一人のラガーマンとしてだけではなく、早大の後輩としても本当に誇りに思う選手」と語り、「また大きく強くなって帰ってきて、その経験を日本のラグビー界に還元してほしい。早稲田大学にも（笑い）」と期待を寄せた。

　1999年のラグビーワールドカップ準決勝で、フランスがニュージーランドに勝利した試合を見てから、フランスのラグビーに興味を持ったという山下監督。「スタンドオフのクリストフ・ラメゾン選手が大好きでした。冷静で、効果的なドロップゴールも決めて。僕は当時大学1年でしたが、練習でラメゾンのプレーをまねていました」と明かし、「それ以来、フランスのラグビー、いわゆるシャンパンラグビーに興味を持ち、いろいろな試合を見るようになりました」と振り返る。

　フランスワールドカップが開催された2007年に、サントリーサンゴリアスの一員としてフランスツアーに参加し、「TOP14」の2チームと対戦した経験を持つ山下監督は「シャンパンラグビーというイメージではなく、ものすごくタイトな、コンタクトの激しいゲームをしてくるなという感じでした。それまで、スーパーラグビーやITMカップのチームと試合や練習をした経験はあったのですが、フランスのチームはそれよりもコンタクトがめちゃめちゃ強かったという記憶があります」と話し、「（ワールドカップ期間中は）日本対フィジーの試合があったトゥールーズに何日か滞在したのですが、町を歩いてもラグビー一色。町を挙げてトゥールーズを応援しているのがよく分かりました」と当時の印象を語る。

　現在の「TOP14」について「注目しているのはマネジメント面」という山下監督は「どのチームも、選手をローテーションで回しているという印象があります。やはり26節という長いシーズンをにらんで選手を使っていくマネジメントをしているんでしょうね」と話し、「プレー面ではスクラムです。今年の早稲田が一番の武器にしているプレーですから、ウチのFWコーチはもちろんですが、僕もスクラムばかり見ています。スクラムを勉強させるためにFW第1列の選手をフランスに留学させたいくらいです」と語った。

　フランスラグビーからたくさんの影響を受けているという山下監督は、「町に根ざしている」ところがフランスリーグの特徴だとし、「たとえば、チームジャージーのデザインにも表れている。今年の早大の新しいジャージーのデザインも、実はフランスの影響なんです」と明かしている。

　＊WOWOWではフランスのプロラグビーリーグ「TOP14」を五郎丸歩選手が所属する「RCトゥーロン」の試合を中心に年間57試合放送予定。WOWOWライブでは、第11節「RCトゥーロン対スタッド・フランセ」を14日午前4時45分から生中継、「ラ・ロシェル対トゥールーズ」を同日午前7時から、「スタッド・フランセ対モンペリエ」を20日深夜2時半からオンエア。「カストル・オランピック対RCトゥーロン」は19日深夜2時15分からWOWOWプライムで放送される。

　また、フランス代表の3連戦も放送。WOWOWプライムで「フランス対サモア」を12日深夜1時35分、「フランス対オーストラリア」を20日午前4時45分から放送。「フランス対 ニュージーランド」は27日午前4時45分からWOWOWライブで放送する。