キャプテン:名作野球マンガが38年ぶり復活 「グラゼニ」作者の手で

コージィ城倉さんの「キャプテン」の新作を発表したグランドジャンプ6号の1ページ(C)ちばあきお・コージィ城倉/集英社
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コージィ城倉さんの「キャプテン」の新作を発表したグランドジャンプ6号の1ページ(C)ちばあきお・コージィ城倉/集英社

 33年前に早世したちばあきおの名作野球マンガ「キャプテン」が約38年ぶりに復活することが15日、明らかになった。「キャプテン」の中学時代のメンバーが高校で活躍し、未完に終わった「プレイボール」のその後を描く。野球マンガ「グラゼニ」や「江川と西本」の原作を「森高夕次」名義で担当しており、マンガ家としても「チェイサー」などを執筆するコージィ城倉(じょうくら)さんが手掛ける。

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 4月5日発売のマンガ誌「グランドジャンプ」(集英社)9号でスタートする。新作のタイトルは連載直前で発表する予定で、高校3年生になった谷口が、後輩の丸井とイガラシと共に、甲子園を目指す最後の夏の戦いを描く。コージィさんは「新機軸は打ち出しません。コンセプトは『何も足さない。何も引かない』。ちばあきお先生が生きていたらおそらくこんなカンジで描いたのではないだろうか……というテイストを“再現”してみたい」と意気込んでいる。

 「キャプテン」は「別冊少年ジャンプ」(同)で1972年2月号から79年3月号まで連載された人気作。野球名門校の二軍で補欠だった谷口タカオが、転校先の弱小チーム、墨谷二中の野球部に入部し、努力を重ねてキャプテンに指名されるようになり、チームを快進撃へ導くというストーリー。「プレイボール」は「週刊少年ジャンプ」(同)で73年27号から78年31号まで連載された。墨谷高に入学した谷口が、中学時代のケガを克服し、再びチームを引っ張るという内容。いずれもテレビアニメ化されて人気を博した。

 2月15日発売の「グランドジャンプ」6号のページでは、谷口、丸井、イガラシのキャプテン3人のイラストとともに「(復活は)冗談じゃないんだよ」「(新作を見て)『こんなのキャプテンじゃない』とか言わないでね」とちゃめっ気たっぷりのセリフも掲載されている。グランドジャンプの発表ページに載った谷口、丸井、イガラシのイラストはいずれもコージィさんの手で描かれている。

 作者のちばあきおは、「あしたのジョー」や「おれは鉄兵」「のたり松太郎」など数々のヒット作を生み出したマンガ界の“大御所”ちばてつやさんの弟。1967年にデビューした。当時のスポーツマンガは、魔球や人間離れしたスーパープレーが人気だったが、「キャプテン」や「プレイボール」は、等身大のキャラクターが猛特訓を重ねて仲間とともに努力しながら成長する過程を描き、スポーツマンガの新しいスタイルを確立したことでも知られる。1984年に41歳の若さで亡くなった。

 また「キャプテン」の“復活”を記念して、「グランドジャンプ」6号では、野球の「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」のとじこみ付録として、谷口、丸井、イガラシの「侍ジャパン」のユニホーム姿を描いた「侍ジャパン×キャプテンコラボピンナップ」が付いてくる。さらにWBC第1ラウンドのチケットやグッズをプレゼントする企画も実施する。

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