水曜日のダウンタウン
電気イスゲームトーナメント 1回戦第2試合 ほか
11月20日(水)放送分
昨年5月に日本代表デビューした金正奎(きん・しょうけい)選手(NTTコミュニケーションズシャイニングアークス)。スーパーラグビーに参戦したサンウルブズにも途中招集され、ブルズ戦でスーパーラグビーデビューも果たした。金選手に、海外ラグビーの魅力や“世界最高峰”といわれるフランスのプロリーグ「TOP14」に挑戦中の五郎丸歩選手について聞いた。
――金選手の海外ラグビーとの出会いは。
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高校(常翔啓光学園)のころから海外のラグビーを見るようになりました。主にスーパーラグビーですね。ラグビーを始めたのは中学(啓光学園中)からですが、そのころは自分たちのチームの先輩、高校生の先輩のプレーや試合を見ていました。近くにいる目標でしたからね。高校生になって、スーパーラグビーを見るようになって感じたのは「レベルが違うなあ」ということ。もちろん、高校生だったので見え方は浅いんですが、一つ一つのプレーのスキル、精度の高さがすごいと思った。僕は中学のときバックスだったので、ダン・カーター(元ニュージーランド代表スタンドオフ)に憧れましたね。参考にするとかいうことはなかったですね。ただ「すごいなあ」と思うだけで(笑い)。
海外の選手のプレーを自分の参考にするようになったのは大学(早大)に入ってからです。寮でスーパーラグビーの試合を見る回数が増えたのですが、注目したのがブランビーズのランカー、マイケル・フーパー。彼は同い年なんです。身長は182センチで僕とそんなに変わらないけど低いプレーが持ち味で、18歳でブランビーズに入ってスーパーラグビーデビュー、20歳でオーストラリア代表“ワラビーズ”入りした。その後はワラターズに移って、23歳でキャプテンを務めたりして、ものすごく刺激を受けました。大学時代は練習で彼の低いプレーをまねたりしていました。
――北半球のラグビー、フランスのラグビーについてはどんな印象がありますか?
フランスのラグビーを見てまず感じるのは、フィジカルレベルが高いこと。それとスタジアムですね。どのスタジアムもグラウンドと観客席が近い。選手と観客の距離感がスーパーラグビーと違うなあ、いいなあと思いましたね。日本もそうなってほしいですね。スタンドとの距離が近いと、フィジカルレベルの高いプレーを近くで見られますから、盛り上がりますよね。特に五郎丸さんがフランスに行ってからは、WOWOWが中継するようになってフランスリーグを見る機会が多くなったから、すごく刺激を受けています。
――五郎丸選手のフランス挑戦についてはどのようにご覧になっていますか。
日本人の可能性を切り開いてくださったことに感謝しています。五郎丸さんが挑戦したことで、自分たちにもできないわけはない、という気持ちにさせてもらえた。自分も負けたくない、チャレンジしたいという気持ちになります。五郎丸さんはフィジカルの部分で、フランスでも十分通用する強さがありますからね。映像を見ていて、最初は「かなりハードそうだな」と思ったけれど、徐々にチームにマッチしていってるのかなと思います。周りはフィジカルの強い選手、スター選手ばかりのリーグだと思うし、お国柄も違う。タフなシーズンだと思うけど、だからこそレベルが高くて、あれだけラグビーの人気があるんだと思う。日本ももっと追いつかないといけないと思いますね。
――シックス・ネーションズについてはどう見ていますか?
今年はイングランドがすごくレベルアップしていますよね。テストマッチの連勝記録も続けているし、(ラグビー前日本代表ヘッドコーチの)エディー・ジョーンズさんのすごさを改めて感じます。他のチームにもすごい選手がたくさんいるのに、なぜイングランドだけがこれだけ勝ち続けられるのかな? と不思議な気もするけれど、試合を見ているとイングランドは組織としてしっかり機能している。エディーさんは日本でもハードワークで結果を出したけれど、あれだけスター選手がそろっているイングランドでも、やっぱりそこなんだなと思いました。ミスが出たときも、すぐに立ち帰る場所がある。みんなが同じ絵を見ていて、それを疑うことなく遂行する。そういうチームは強いですよね。
――金選手のいるNTTコムのロブ・ペニーヘッドコーチも世界的に知られた名将です。
ロブさんも素晴らしいプロフェッショナルのコーチです。自分たちに作戦やシステムを指示するときも自信に満ちている。印象的なのは、選手に対して「この戦術を100%信頼してほしい。みんなにそれがないとこのラグビーは成り立たないんだ」と言われたことです。長いコーチ人生で蓄積してきた自信があるから言えることでしょうね。選手の育成も上手で、選手が自信を持ってフィールドに立てるように導いてくれる。一人一人に足りないこともフィードバックしてくれるし、ストレスを感じずに試合に臨めるんです。
――金選手のこれからの目標を聞かせてください。
まずは2019年にワールドカップ日本大会がありますから、そこには必ず出たい。その目標に向かって、今できることをやっていきたい。僕はこの背丈(177センチ)で、低いプレーが強みだと思っているので、大きい選手ができないプレーを磨いていけば、必ず世界に通用する選手になれる。もっとできると思っています。
大きな目標はもちろん19年のワールドカップですが、そのためには目の前の一つ一つの目標をクリアしていくこと。トップリーグの間はシャイニングアークスで、国内シーズンが終わったらサンウルブズで、全力を尽くすことで初めて日本代表でプレーするチャンスが出てくると思っています。大きな目標を見据えながら、目先の目標に全力を尽くす覚悟です。
*……WOWOWでは「シックス・ネーションズ」全15試合をWOWOWライブで生中継。最終節の「スコットランド対イタリア」はWOWOWライブで18日午後9時15分から、「フランス対ウェールズ」は同日午後11時35分から、「アイルランド対イングランド」は同日深夜1時50分から放送。また、フランスのプロラグビーリーグ「TOP14」の、第21節の「モンペリエ対ラシン92」はWOWOWプライムで19日の午前4時半から、「グルノーブル対RCトゥーロン」は20日の午前4時半から放送する。
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