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11月3日(日)放送分
星野源さんが主演を務めるWOWOWの「連続ドラマW プラージュ ~訳ありばかりのシェアハウス~」が12日から毎週土曜午後10時にWOWOWプライムで放送される(全5話で初回は無料放送)。「ストロベリーナイト」などで知られる作家・誉田哲也さんの小説が原作で、“訳あり”な人たちが住むシェアハウスを舞台に、さまざまな過去を背負う厄介者たちの人間ドラマを描くエンターテインメントミステリー。シンガー・ソングライターのスガ シカオさんが演技に初挑戦しているほか、石田ゆり子さん、仲里依紗さん、眞島秀和さん、中村ゆりさん、渋川清彦さんらが出演している。女性に振られた憂さ晴らしに出かけた先でよく分からないまま覚せい剤を打たれ逮捕された32歳の“訳あり男”吉村貴生を演じた主演の星野さんに、撮影エピソードや見どころなどについて聞いた。
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――今までで一番“ダメなやつ”を演じるにあたって、これまでにないチャレンジはありましたか。
脚本の初校(台本の最初の版)の感じは、ダメだったんですが、決定稿ではダメというよりも「バカ」という方に傾いてきたので、それはすごく面白いと感じました。こういう題材を、コメディータッチというとちょっと語弊があるかもしれませんけれども、そんな雰囲気を醸し出しながら描くというのは、面白いなと思って。罪の重さを表現するような役じゃなくて、罪の重さにあまり気づかないという役だったので、一本道(ストレート)な方向で演じることができた気がします。
――以前、「苦手だなこの人、というのが3話目くらいから魅力を感じるようになってきた」とおっしゃっていましたが、貴生のどんなところが魅力だと思いましたか。
ごめんなさい、これまでずっと長い間取材でそう答えてきたんですけれど、完成して届いたのが昨日(7月31日の完成披露の前日)だったんですね。やっと見られたんですが、(貴生は)意外と最初から“ファニー”でした(笑い)。1話目から愛せそうな気がするので、今までの取材(での発言)はなかったことに(笑い)。こんなにコメディーチックだと思わなくて。見ていて、一番ぶれていないというか、二面性がないのが貴生で、他のキャラクターは笑顔とシリアスが両方出てくるけれど、ずっとバカをやっているのが貴生。だから最初から(ドラマの中の)“休息ポイント”というかコミカルなので、シリアスな場面のあとに貴生が「いや~」とか言いながら出てくると、ちょっとホッとしましたね。
――石田ゆり子さんと「逃げるは恥だが役に立つ」に続いて共演ですが、石田さんの印象は?
ゆり子さんが出演すると聞いたのは「逃げるは恥だが役に立つ」の撮影中でした。2人で「またご一緒できるんですね」という話をしました。
石田さんはすごく上品な方で、かつ可愛らしくて面白い方。一緒にお話ししているだけで楽しいです。今回はすごくシリアスで、かつ聖母のようなキャラクターなので、すごく落ち着いた感じで現場にいらっしゃいました。
――スガ シカオさんが今作で演技に初挑戦しています。同じミュージシャン仲間として共演していかがでしたか。
スガさんは、役を演じるということに対して真剣に挑みつつ、楽しんでいる感じがはたから見ていて感じられました。そういう挑戦する気持ちとかがあるから、ずっと第一線で活躍されているのかなと思いましたね。
――スガさんとはどんな話をしましたか。
「せりふってどうやって覚えてる?」と相談されたような気がします。でも特に他のプラージュ(に住んでいる登場人物)の方々もそうですが、演技の話とか役についての話とか僕もしないし、誰もしなくて。演技論とか苦手なんです。疲れちゃうというか(笑い)。お菓子の話とか、ゆり子さんが差し入れてくださったスイーツの話とか、僕が差し入れたものとかを食べながら、のんびりした感じの現場だったので、そんな中にスガさんが楽しそうにそこにいらっしゃるという感じでした。みんな食べることが好きなのは共通していましたね。
――食べるものに関して、今回の舞台は、1階がカフェで実際にフードコーディネーターの飯島奈美さんの料理が出てきて撮影の際に食べられたりしたと思うのですが、いかがでしたか。また、みんなで食卓を囲むことって大人になってからあまりないのではないかと思うんですが、食卓のシーンの印象は?
本当においしくて。みんなで食べるっていいですよね。僕も食べることは大好きなので。でも、どうしても太りやすいのであまり食べられないんですけれど。
――今回、シェアハウスが舞台ですが、星野さんがシェアハウスに住むとしたらどういうところがいいですか。
「プラージュ」のみんながとってもすてきなのでこういうところがあったら住みたいですね。でもやっぱり落ちつけなさそうだなっていうのはあります(笑い)。各部屋がカーテンで仕切られているくらいというのが、寮生活っぽいけれど、仕事柄どうしてもギターを弾いたりしなくちゃいけないので、カーテンだけだと(防音として)迷惑を掛けそう(笑い)。
――貴生と自身の共通する部分は? また、貴生はどん底まで落ちますけれど、星野さんが落ちたときはどう切り換えていかれますか。
共通している部分は、楽観的なところかな。貴生もその都度反省もするし、でもあまり後に引きずらないじゃないですか。そこはすごくいいところだなと思っていて。僕も落ち込むこともあるんですが、すぐ忘れちゃうんですよ。割と楽観的というのかな、なんとかなるというところはちょっと似ているかもしれないですね。それは言い換えると(貴生のように)「バカっぽい」につながると思うんですけれど(笑い)。
昔はちょっと違って、それこそ思春期のときとかはものすごくマイナス思考だったんです。でも、そういうふうになる前の幼少期の楽観的な部分が今、戻ってきて。小さいころは明るい子だったらしいんです(笑い)。そういう部分が、今の自分の「考えてもしょうがないよ」と共通するところがあります。30歳を過ぎてからだんだん(楽観的に)戻ってきたような気がします。
――前向きに考えた方が、ものごと楽しいですよね。
結構イライラしたり、うまくいかないときはどうしても人に当たりたくなったりしますけれど、意外と笑顔に無理やりでもなった方が、すぐすっきりしますよね。そういうことができると、「ちょっと大人になったな」という感じがします。
――今忙しくて仕事もハードですが、モチベーションの保ち方は?
仕事がそもそも好きなんです。音楽に関しては自分の作りたいものを作るというのがモチベーションなんですが、役者については、自分というものが消えているとうれしくなりますね。「俺、こんな芝居してたのか」って他人を見ているような気持ちになると、自意識を捨てて集中できてるってことなので。それは楽しいです。
――俳優としても音楽活動も、引く手あまたの今の状態をご自身ではどう感じていますか。
引く手あまたなのかな。あまりそれはそう感じてはいないです。そう言ってもらえるのはうれしいんですけれど(笑い)。
僕は今年の目標は「無理をしない」ということを掲げたので、仕事もなるべくしないように。でも、すごくしちゃっているんですが(笑い)。音楽とお芝居という違う職種をしていてどうしても忙しくなっちゃうので。
創作というものが関わってくると、外に出る仕事がない日でも仕事だったりするので、曲を作るとか、歌詞を書くとか、文章を書くとか。どうしても息抜きができなくて。あまり仕事をガンガンやっていないという状況でも、これだけタイトになってしまうという。手いっぱいという感じですね(笑い)。でも、(音楽も俳優も)一個一個集中したいので、ぎりぎりの範囲にしてもらっています。
<プロフィル>
ほしの・げん 1981年1月28日生まれ。埼玉県出身。2000年、インストゥルメンタルバンド「SAKEROCK」を結成(15年に解散)。10年にソロデビュー。並行して03年から俳優としても活動。文筆業も行う。俳優としては13年公開の主演映画「箱入り息子の恋」や「地獄でなぜ悪い」での演技が評価され、第5回TAMA映画賞、第37回日本アカデミー賞、毎日映画コンクールなどの新人俳優賞など多数受賞。
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2024年11月05日 16:00時点
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