俳優のハリソン・フォードさんが23日、東京都内で行われた映画「ブレードランナー 2049」(ドゥニ・ビルヌーブ監督、27日公開)の会見に登場した。会見には、共演のアナ・デ・アルマスさん、シルビア・フークスさん、ビルヌーブ監督も出席した。
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映画は、人気SF映画「ブレードランナー」(リドリー・スコット監督)の続編で、前作から30年後の2049年が舞台。ロサンゼルス(LA)市警のブレードランナー“K”(ライアン・ゴズリングさん)がある企業の陰謀を暴くため、30年間行方不明になっていたデッカード(フォードさん)と共に真実を追う……という内容。前作のスコット監督が製作総指揮を務めている。アルマスさんはKが唯一心を許すジョイ、フークスさんはKに敵対するウォレス(ジャレッド・レトさん)の腹心・レプリカントを演じている。
ビルヌーブ監督:日本に来られて非常にうれしいです。皆さんと映画を共有できることに興奮しています。
フークスさん:初来日なのでとても幸せですし、エキサイティングな気持ち。東京に初めて来て、まさにブレードランナーの世界に入り込んだような感じです。
アルマスさん:東京は2回目になります。19歳ぐらいのときだと思いますが、スペイン映画祭で来ました。また帰ってこられてうれしいです。
フォードさん:東京に戻ってこられてうれしい。台風は、大変興味深い経験でした。最初のブレードランナーが日本でとても反響が良かったことを幸せに思っていました。何年も前になりますが。(今回は)続編を持ってきました。日本の方々にまた喜んでもらえるとうれしいです。
ビルヌーブ監督:皆さんは映画をご覧になってくれましたか? ファンタスティック! 我々が描いた作品は、最初のブレードランナーのつながりというかその後の話。オリジナルは2019年という設定でした。我々はその時代に近づいてきてました。最初の映画で描かれた世界とはちょっと違った世界になっています。つながりとして2049年を今回は描いていますが、その世界にスティーブ・ジョブスはいません。現在の社会よりも気候が厳しく生活も厳しい過酷な世界なので、建築物や乗り物などのテクノロジーに影響を及ぼしています。しかしながら、私にとって興味深いのは、(続編は)未来について語っているのではなく、現在について語っていることです。
フォードさん:撮影が始まる4年前にスコット監督から電話がありました。ブレードランナーとデッカードに興味があるかという内容でした。ストーリー次第だけどやりたいと伝えました。スコット監督が短編とスクリプトを送ってくれて、それを見て満足しました。デッカードがエモーショナルに書かれていて、自分がそれに共感できるキャラクターになっていたので、これなら“いける”と思い、承諾しました。
ビルヌーブ監督:私が、彼女にオファーを伝えた張本人です。(フークスさんの)叫び声があまりに大きくて耳が痛かった(笑い)。
アルマスさん:私にとって、とてもエモーショナルな体験でした。怖さもありナーバスにもなりました。自分が(映画の)一部になれることにドキドキしました。皆さんが期待するような演技ができるように心から願いました。素晴らしいキャスト、スタッフとお仕事ができることに非常に胸がわくわくしました。演じるジョイに非常に興味を抱きました。どういう女性なのか興味が湧き、演じてみたいと思いました。私にとって、この映画は一日一日がプロセスの連続でした。オーディション、撮影、リハーサルのすべてが学びになりました。
ビルヌーブ監督:私と同じ年代の監督はブレードランナーという作品に影響を与えられました。(映画を見た)以前と以後では大分ちがうと思います。スコット監督の照明の使い方、雰囲気の作り方など、全く見たことがない世界観でした。
フォードさん:昨日は、雨だったのでショッピングモールを歩いていました。(宿泊した部屋は)とても高層だったので2日間、雲に囲まれていました。今朝になって、やっと富士山や景色を見ることができました。
フォードさん:東京と京都には何度も来ています。今回は地方に自分の運転でドライブに行きたい。日本のいろいろなところを見てみたいです。
フォードさん:やっちゃいけないですか? 自分が何度も出演する映画は、ファンが多い映画です。みんな楽しみに待っていると思います。俳優としてハン・ソロが30年たってどうなっているか。デッカードが35年たってどうなっているか。時の流れがどういう影響を与えているのか。(キャラクターの)人生を演じることは俳優として興味深いことであるので、自分が昔演じた役にトライしています。
ビルヌーブ監督:今回は、これだけ見ても分かるように意図している。若者にオリジナルを見ていただきたい。オリジナルは、美しくてパワフル。金字塔的な作品なので、ぜひとも両方を見ていただきたい。大体、再拝ものは戦争作品が多い。ブレードランナーの世界観はSF、刑事、ミステリー、エモーショナルなものがあります。
フォードさん:監督のコメントを聞いていて、この監督だからこそ続編を製作するのにふさわしいと感じました。キャラクターからアプローチし、感情的に注意深く描いている。前作を見なくても続編を楽しむことができると思いますが、前作を見ることで壮大な世界観を感じることができると思います。今回の作品だけでも満足がいく経験ができると思いますが、ちょっと変わった経験もできると思います。
フークスさん:この役の準備をするためにワークアウトが必要でした。とにかくおなかがすいて、ケータリングのときにいろいろなものを食べていました。その時にフォードさんがクールな感じでいらして。「あした、撮影シーンがあるんだけど」と言われて(食事を)飲み込めなくなり、大変な思いをしました。最初のシーンは小さな空間で行いました。すごく緊張していました。子供の頃からハン・ソロ、インディー・ジョーンズを見ていたので、彼(フォードさんを)をなるべく見ないようにしました。あるとき、フォードさんがジョークを言ってくれ、笑わせてくれました。(撮影の)合間にジョークを言ってくれる温かい人でクリエーティビティーを奨励してくれる方です。
アルマスさん:ラスベガスのアパートでの撮影だったと思うのですが、私が演じたジョイの衣装は、ミニスカートにニットでとにかく寒かった。「(フォードさんが)寒くない?」って、気遣いをしてくれました。(フォードさんに)覚えていますか?
フォードさん:全然、覚えてない(笑い)。この映画は、長い時間をかけて撮影し、シーンも複雑でした。だけど、撮影の雰囲気は和気あいあいとして、とても楽しい撮影でした。
ビルヌーブ監督:私たち全員が、映画を作ることにプレッシャーを感じていました。オリジナルは名作中の名作で、続編を作ることに興奮と緊張があり、最高のものを作ろうとベストを尽くしました。今は、映画の神様に感謝したいと思います。私の車の下に爆弾を置かれるということはないと安心しています。この映画に関わったアーティストは前作のファンです。敬意を払って作品作りをしようと、我々の中の記憶や思い出をリスペクトしようという気持ちでした。
フォードさん:映画は世界中でヒットしていますが、文化が違うところでちゃんとヒットしていることに興味深いです。話自体は、ラスベガスが舞台になっていますが、伝えたいのは場所でなくキャラクターです。人間とは何か、人間は文明をコントロールできるのかなど、人が自然と抱くような質問に答えようとする映画だと思います。映画の成功の鍵はそこにあると思います。
フークスさん:この映画を撮影したときに、独立性がある映画を撮っているような(感じで)監督から自由と信頼を与えてもらいました。安全な環境も作ってくれました。公開されると非常に大きな映画で、それが成功しているのは、クリエーティブな人間にとってはこれ以上ない喜びです。多くの人たちに温かく迎えてもらっている。世界中の人にこの作品が通じていてうれしいです。
アルマスさん:ヒットしているのはうれしいし、とても幸せです。人々の心にタッチしている映画です。クリエーティブな面、エモーショナルな面でも素晴らしく、特別な映画です。
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