永野芽郁:「朝ドラ=大変」に抵抗した日々 「壁ない」発言は後悔? 

NHKの連続テレビ小説「半分、青い。」でヒロイン・楡野鈴愛を演じた永野芽郁さん (C)NHK
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NHKの連続テレビ小説「半分、青い。」でヒロイン・楡野鈴愛を演じた永野芽郁さん (C)NHK

 放送中のNHKの連続テレビ小説(朝ドラ)「半分、青い。」に、ヒロインの楡野鈴愛(にれの・すずめ)役で出演している永野芽郁さん。ドラマは8月17日にクランクアップし、放送より一足先に鈴愛を演じ終えた永野さんは、長きにわたる撮影を経て、「女優さんというお仕事がすごく大好きになった」と語る。重圧のかかる朝ドラのヒロインだが、「『朝ドラ、イコール大変』という印象がつきすぎるのが嫌だった」と、「大変」と言わないように努めていたという永野さんに、鈴愛として生きた約10カ月の日々を振り返ってもらった。

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 ◇「壁ない」発言の2週間後にすっごい壁が! 撮影の記憶がなくて…

 昨年11月から約10カ月におよぶ撮影を終え「楽しんで現場にいられた」と振り返る永野さんだが、その道のりは決して平坦なものではなかったという。クランクインから5カ月ほどたったときには「壁は感じていない」とスムーズな撮影をうかがわせていたが、「『壁を感じていない』と言った2週間後ぐらいに、すっごい壁が来ました(笑い)。『壁は感じていない』発言が世の中に流れ始めて『永野芽郁、余裕でやっているのか』と思われていたときが一番きつかった時期で、『言わなきゃよかったな』と思いました」と苦笑する。

 特に100円ショップ「大納言」や映画会社「クールフラット」での撮影の時期に壁を感じていたようで、「10カ月同じ人を演じて、自分でいる時間がなかったし、本物の家族といる時間よりも楡野家といる時間が長かったので、普段生きている時間の中に鈴愛をどう落とし込んでいいのか分からなくなって……。人とどう接していいのか分からなくなって、ガーン!と(壁が)来ました。『大納言』や『クールフラット』での撮影の記憶がなくて。まったく覚えていないんです」と打ち明けつつ、「そこを乗り越えたら楽勝でした」と今では笑って振り返られる余裕も見せた。

 クランクアップのときは、(脚本の)北川(悦吏子)さんから「大変だったよね」と声をかけられたというが、永野さんは「『朝ドラ、イコール大変』という印象がつきすぎるのが嫌」で、取材の際には「『大変です』と言わないようにしていた」と本音をぽろり。「北川さんもそれを分かっていたみたいで、『あなたは大変だって言わないけど、大変だったでしょ?』と言われて……。『とても大変でした』と言ったら、『だよねー』と(笑い)」と楽しそうに語る。

 ◇共演者の存在が支えに 「人に恵まれる運や縁が自分にはある」

 撮影期間中は、共演者の存在も支えになった。「私が現場で一番下っ端。それでも私のことを全力で受け止めてくれる人たちが、10カ月途切れることなくずっといてくださった。それがすごい奇跡だったな、幸せ者だな、と思います」と感謝する。といっても直接声をかけて励ますのではなく、「そばに寄り添って、一緒に現場で戦ってくれる人たちだった」という。

 「しんどいとき、お母ちゃん(晴役の松雪泰子さん)がわざわざ来て、抱きしめてくれて、話を聞いてくれたこともありました。本当に周りの方に恵まれたなあ、と。そういう人に恵まれる運や縁が自分にはあると思っています。幸せだったなと思います」としみじみ語る。

 永野さんにとって「半分、青い。」は、女優という仕事を続ける上でどのような存在になったのだろうか。すると「女優さんというお仕事がすごく大好きになった」とほほ笑み、「誰かと目を合わせてお芝居をすることがすごく楽しいと思えたし、逆に、女優さんというお仕事がとんでもなくつらいとも感じました。だからこそ、このお仕事の魅力を再確認できた。ここでご一緒できた方々と、また違う役で向き合ってお芝居できたらいいなと思っています」と、鈴愛のようにはきはきとポジティブに語ってくれた。

 「半分、青い。」は、大ヒットドラマ「ロングバケーション」(フジテレビ系、1996年)などで知られ、“恋愛ドラマの神様”の異名も持つ北川悦吏子さんのオリジナル作品。71年に岐阜県で生まれ、病気で左耳を失聴したヒロイン・鈴愛が、高度成長期の終わりから現代までを七転び八起きで駆け抜ける物語。全156回を予定しており、最終回は9月29日に放送される。

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