小芝風花:連ドラ初主演の喜びと不安 「トクサツガガガ」撮影エピソード語る

連続ドラマ「トクサツガガガ」で主人公・仲村叶を演じる小芝風花さん
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連続ドラマ「トクサツガガガ」で主人公・仲村叶を演じる小芝風花さん

 女優の小芝風花さん主演のNHK連続ドラマ「トクサツガガガ」が18日から始まる。特撮好きの会社員が前向きに奮闘する姿を描いたコメディードラマ。小芝さんは連ドラ初主演で主人公の特撮オタクの会社員・仲村叶(かの)役を演じる。小芝さんに、ドラマへの思いや連ドラ初主演の心境などを聞いた。

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 ◇連ドラ初主演で不安も 倉科カナら共演者とのエピソードも明かす

 原作は「ビッグコミックスピリッツ」(小学館)で連載中の丹羽庭さんの同名マンガ。特撮オタクと周囲に言えない隠れ特撮オタクの叶が、日々の生活でさまざまなピンチに陥ると、本人にしか見えない特撮ヒーローが現れ、その言葉に勇気付けられ、次々にピンチを切り抜けていく……という物語。倉科カナさん、木南晴夏さん、松下由樹さん、武田玲奈さんらも出演する。

 数々のドラマに出演している小芝さんだが、意外にも連ドラ初主演。小芝さんは「連ドラで初めて主演が決まったので、すっごくうれしくて。(事務所の)社長から直接教えてもらって『母に電話していいですか!』って席を外して(笑い)電話して。『頑張ってきます!』と意気込んでいました」とオファーを受けた際の喜びを赤裸々に語る。

 とはいえ、プレッシャーもあったという。原作の叶は、商社勤務の26歳という設定のため、「私より年上の役なので、原作ファンの方からしたら若過ぎるんじゃないという声をいただいていて、不安にもなった」と小芝さん。だが、「(ドラマ内の)特撮部分はキャラクターたちがめちゃくちゃかっこよくて……。マンガから飛び出してきたようなクオリティーなので、そういうところも原作ファンの方には見てほしいです」と魅力を説明。「叶ちゃんのちょっとした仕草や特撮好きの熱量を、楽しんでもらえたらうれしいな」と笑顔をみせる。

 初の連ドラ主演に「不安を感じることもあった」と小芝さん。「今までは2週間とかで撮り切れていたので、あっという間に終わっちゃっていたんです。でも、今回は全7話で3カ月撮っているので、スケジュールにゆとりがあって、いろいろ考えちゃう時間がある分『どうしよう』って不安になる部分もありました」と心境を吐露する。

 そんな時は共演者の存在が支えになった。「倉科カナさんや木南晴夏さんがご飯に連れて行ってくれて。倉科さんは『今日はふーちゃん(小芝さん)のお疲れ会だから!』と焼き肉に連れて行ってくださったり、支えてくださって」とエピソードを明かし、「いつも(映画や単発ドラマで)主演をさせていただくと、どれだけ周りの人に支えられているかを痛感するので、主演という肩書は付けていただいているけど、みんなで面白い作品を作りたいなって全力で頑張っています」と語る。

 ◇特撮モノの魅力とは?
 
 原作について、「特撮に限らず、何かに熱中しているものがある人には『分かる!』という部分があると思う」と小芝さん。「叶ちゃんの、会社での印象と心の本当の熱量が爆発した時のギャップがすごく好きで。これを何とか実写でも面白く出せたらいいなと思っています」と意気込む。

 原作では、特撮好きを表に出せない叶の葛藤が描かれ、それを表す心の声も見どころの一つだ。小芝さんは「心の声が本当に素直。悪態もつくし、『なんでやねん!』みたいな葛藤もあるし……モノローグ録(ど)りが、すごく楽しいです」と明るく笑い、「(表向きは)こう言っているけど、心の声はこう! というところも、面白いなと思ってもらえたら」と話す。

 特撮モノには元々どのようなイメージがあったのか。小芝さんは「やっぱり、小さい子向けというイメージがすごくありました」という。ただ、出演が決まり、ヒーローショーを見に行ってみると、「面白かったです。ヒーローが出てきたら、無意識に拍手していたり」と笑う。「根本的なことを忘れていたんだな、ということに気付かせてくれた。例えば『人に優しくしなさい』とか、当たり前のことだけど、自分のことでいっぱいいっぱいになっていたりする。(原作の)お年寄りに電車で席を譲る話とか、日常にある問題じゃないですか。(ドラマには)共感してもらえる話の中にヒーローという非現実的なものが出てくる面白味もあると思います」と魅力を語る。

 ◇NHKドラマに相次ぎ出演で「運命感じる」
 
 NHKのドラマでは、約3年前に、連続テレビ小説の「あさが来た」に白岡千代役で出演。その後も2018年に今回と同じ1月クールのドラマ「女子的生活」でゆい役を演じるなど、引っ張りだこの活躍を見せている。小芝さんは「今、私の3分の2はNHKさんでできていると言っても過言ではないぐらい、お世話になっていて」と笑い、「『女子的生活』にも出演させていただいていて、しかも今『あさが来た』の再放送が始まっていて私が登場するのがちょうど『トクサツガガガ』が始まる頃なんですよね。だから勝手にNHKさんに運命を感じています(笑い)」と縁を喜ぶ。

 現在、21歳。20代になって、「ダイエットしてから『大人っぽくなった』と言われることが多くなりました」と明かす小芝さん。外見のみならず、意識の面でも変化があった。「自分の意見も、10代の頃は初めてのことだらけで『私なんかが言える立場じゃない』と思っていたんですが。二十歳だし、自分の意見や思っていることを、少しずつ伝える努力をしなきゃ、と思い始めた。たぶん二十歳を超えてから(その思いは)強くなりました」と変化を明かす。

 最後に、ドラマの内容にちなんで、叶にとっての特撮のように大事な存在は? と聞いてみると、「いろいろ突っかかったりとかはあっても、最終的には家族って一番近くで支えてくれている。私がどんな失敗をしても、全世界が敵に回っても、たぶん母だけは私の味方でいてくれるんだろうなって分かっている。小さい時から母がすごく大好きで、『生まれ変わっても絶対ママの娘に生まれてくるわ!』と言っているので、私は、母かもしれないです」とほほ笑みながら教えてくれた。

 ドラマは全7回で、18日からNHK総合で毎週金曜午後10時放送。

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