小手伸也:露出増でも電車移動、バイトも「やめない」 “シンデレラおじさん”の素顔

連続ドラマ「私のおじさん~WATAOJI~」に出演する俳優の小手伸也さん
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連続ドラマ「私のおじさん~WATAOJI~」に出演する俳優の小手伸也さん

 昨年放送のフジテレビの“月9”ドラマ「コンフィデンスマンJP」「SUITS/スーツ」に出演し、「シンデレラおじさん」などと話題を集めた俳優の小手伸也さん(45)。放送中の金曜ナイトドラマ「私のおじさん~WATAOJI~」(テレビ朝日系)では、「デブチーフ」と呼ばれる万年チーフADである出渕輝彦(でぶち・てるひこ)を演じており、SNSでは「またくせ者感」などの声が上がっている。露出が増えた現在も、コールセンターのアルバイトを続けており、「辞めるつもりはない」といい、今年を「勝負の年」と語る小手さんに話を聞いた。

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 ◇2018年は「激動」

 小手さんは、1973年12月25日生まれ。神奈川県出身。2浪して早稲田大学に入学。劇団「innerchild」を主宰するなど、舞台を中心に活動してきた。堺雅人さん主演のNHK大河ドラマ「真田丸」(2016年放送)で、塙団右衛門(ばん・だんえもん)役を演じ、大河ドラマ初出演。17年には、特撮ドラマ「仮面ライダーエグゼイド」(テレビ朝日系)で天ヶ崎恋役を演じた。

 18年は、「コンフィデンスマンJP」で腕利きのコンフィデンスマン(詐欺師)の五十嵐役、「ハゲタカ」(テレビ朝日系)でナレーションと最終回に出演し、「SUITS/スーツ」では主演の織田裕二さん扮(ふん)する主人公のエリート弁護士・甲斐正午をライバル視する弁護士・蟹江貢役を演じた。

 アクの強いキャラクターで存在感を放ち、注目を集める小手さん。昨年、ネットニュースのコメント欄に投稿されていた「2018年のドラマ界で一番の発見は小手さんです。この人ほど、ワクワクする俳優は他にいないかも」という言葉を直接本人にぶつけてみると、「発見していただいてうれしい限り!」と笑顔を浮かべ、18年を「激動」と振り返る。

 「毎シーズンなんらかのドラマに出させていただくという状況自体が初めての年。自分でもびっくりしているというか、かなり生活が激変しました。それは別に、僕自身が町中で指さされるとかそういうことじゃないんですけど、『忙しい』ということがとにかくびっくりです。バイトを入れる暇がないくらい」と話す。

 それでも、「初心に戻る場所」だというコールセンターのアルバイトは、「あまり辞めるつもりはない」と語る小手さん。「皆さん逆に心配して、『役者一本で食っていけますように』っておっしゃっていただけるんですけど、僕としては『辞めてやるぜ』みたいな気持ちは持っていない。本心的にはあるんですけど、そこを手放したら僕は浮かれるので……」と戒める。

 また、記者が地下鉄の駅のホームで偶然、小手さんらしき人物を見かけたことを伝えると、「まじですか! 乗ってますよ!(笑い)。たぶん僕です(笑い)」と電車移動していることを明かし、「最近、ちょっと電車で指さされるように……」と“変化”も告白。「僕なんかに注目する人はいないだろうと思っていたところなんですけど、なんか視線を感じるセンサーみたいのは身につきました」と話す。

 ◇ライバルは? “五十嵐”は「相当手ごわい」

 先日行われた「私のおじさん~WATAOJI~」の会見では、「いよいよ2019年、この年こそ、勝負の年として一気に有名人になりたい」と目標を語っていた小手さん。改めて「勝負の年」への意気込みを聞いてみると、「いろいろな役をやらせていただいていく中で、その役のことを好きになってくれる方がいっぱい出てくるのがすごくうれしい半面、そいつが結構壁になってくる……」と率直な思いを告白しつつ、「自分の代名詞となるような役に毎回出会えていることが幸福な分、これからもそういうキャラクターを増やしていきたい」と話す。

 例えば「コンフィデンスマンJP」の五十嵐を「あいつ相当手ごわいです」と話し、「常に自分自身が生み出したキャラクターをライバルと捉えて、新たなチャレンジとか、出会ったことのない現場とか、経験したことのない役とか、どんどんいっぱいやっていって、そのたびに役名で覚えられる人でありたい。有名人とは言いましたが、ぶっちゃけ僕の本名なんて二の次だと思っています」と力を込める。

 ◇“蟹江病”!? 「こんな地味な芝居していていいのかな」

 ドラマは、失恋と失業でヤケクソになった一ノ瀬ひかり(岡田結実さん)が、超過酷なロケで有名なバラエティー番組の制作会社に就職。アシスタントディレクター(AD)生活を送っていると、「妖精」を名乗る毒舌なおじさん(遠藤憲一さん)が現れ……というオリジナル作品。小手さん演じる出渕は、名字と見た目から周囲に“デブチーフ”と呼ばれており、ささやくような“ウイスパーボイス”でひかりにあれこれ指示を出してくるなど、振られた仕事を他のADたちに投げて自分では何もしないという典型的な中間管理職ぶりを発揮するという役どころ。

 「久しぶりに若くて雑にしゃべる役」と表現した小手さんは、「もっと大きい声でしゃべったほうがいいんじゃないか。もっと身振り手振り必要なんじゃないかと、時々不安にはなる。それは“蟹江病”なんですけど(笑い)」と、「SUITS/スーツ」で演じた蟹江の名前を出しながら、「こんな地味な芝居していていいのかなっていう瞬間が多々あるんですけど、どれだけこの勝負の年に皆さんの印象に残れる役になれるかどうか」と話す。

 自身のツイッターでは、「『あーゆー上司マジでいる』といったお声も多数頂いており、『小手さんリアル路線もイケる』と皆様に思ってもらえたら御の字なんですが、くせ者感だけは払拭できず!」とつづっていた小手さん。“デブチーフ”が、どれだけ視聴者の印象に残る役になれるか注目だ。

 「私のおじさん~WATAOJI~」は、毎週金曜午後11時15分放送(※一部地域を除く)。

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