ユースケ・サンタマリア:デビュー25年、進化続く 「わたし、定時で帰ります。」でブラック上司を好演

連続ドラマ「わたし、定時で帰ります。」に出演する俳優のユースケ・サンタマリアさん(C)TBS
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連続ドラマ「わたし、定時で帰ります。」に出演する俳優のユースケ・サンタマリアさん(C)TBS

 ドラマ「わたし、定時で帰ります。」(TBS系、火曜午後10時)で、吉高由里子さん演じる主人公のブラック上司・福永を演じるユースケ・サンタマリアさん(48)。これまでにもじわりじわりと“ブラック感”を出してきた福永だが、5月28日放送の第7話では、部下たちから反対の声が上がる中、赤字必至な案件を通そうと根回しする場面などがあり、SNSでは「ユースケサンタマリアにイラつきまくるから、ユースケの演技はすごい」「素に見えるから余計怖い」といった高い演技力を賞賛する声が並んだ。今年デビュー25周年、マルチな才能で幅広く活躍するユースケさんに今の思いを聞いた。

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 ◇デビュー25周年 「概ね満足」

 4月に「まんたんウェブ」が取材したユースケさんのインタビュー記事が掲載されると、「昔は平成の適当男なんて言われてたけど、今は俳優、司会者としての地位を確立したし、バラエティーで振られてもしっかり返すし、変わらないようで進化している」「最初はキワモノのミュージシャンと思ってたけど、今は確固たる地位を築いているよね。スゴイ」といった声が上がり、ユースケさんの“進化”が注目された。

 今年デビュー25周年のユースケさんに、デビュー当時について聞いてみると、「21、22(歳)ぐらいからやっていたというのは覚えていて。こんなに長いことやるとは、そのときは思っていなかった」と振り返る。「びっくりするくらい(内面が)変わっていない」といい、変わらない点を聞くと「好きなタイプのギャルとか……(笑い)」と笑わせつつ、「変わらないことがいいことでもあると思っているし、なんでもっといろんなことを得なかったんだろうとか後悔もあるし。でも、概ね満足しています」と話す。

 ◇夜中の現場で「謎の多幸感」

 テレビ番組の司会としても、トータス松本さんと共にVJを務めた1995~97年放送の「夕陽のドラゴン」(スペースシャワーTV)をはじめ、人気番組「『ぷっ』すま」(テレビ朝日系)、「平成教育学院」(フジテレビ系)シリーズ、「世界ナゼそこに?日本人~知られざる波瀾万丈伝」(テレビ東京)などに出演し、長年にわたり活躍してきた。

 俳優業では、「(自分とは)違う役名だから、俺の人間性なんて関係ない」というユースケさんだが、司会業では「どうしても自分のパーソナリティーを出さざるを得ない」と話す。さらに「もともと変な名前でやっているから、(司会業でも)その名前の人間に軽く変身してやっているんですよ」と明かし、俳優業と司会業の向き合い方については「スタッフも現場の雰囲気も違うから、勝手に切り替わります」と説明する。

 「(俳優業では)夜中、訳分かんないシーンを撮っていて、血のりかなんかついて待っていて。『俺、何やってんだろう』って思うのと同時に、『なんか俺、幸せかも』って。ちょっと浮世離れした非現実的な仕事をしている感覚になるときが、謎の多幸感がありますね」と告白。司会業では「本当に面白くてしゃべっているときが多いから、こんなのテレビに映していいのかなとか、ギャラもらっていいのかなとか思いながらやっています」と率直に語る。

 ◇ブラック上司に「怖い」の声 今後の展開は…

 ドラマは、朱野帰子(あけの・かえるこ)さんの同名小説シリーズ(新潮社刊)が原作。吉高さん演じる「残業ゼロ、定時で帰る」がモットーのヒロイン・東山結衣が、ウェブ制作会社を舞台に、くせ者の“モンスター社員”が抱えるさまざまなトラブルを解決していく姿を描いており、ユースケさんは、“ブラック上司”として、職場の面々を振り回す福永清次役を務めている。

 双子を出産し、夫が育休を取得し、早々に職場復帰する賤ケ岳八重(内田有紀さん)については、「男の育休許す上司ってどうなんだろうね。会社のお荷物なのかな、ご主人。あ、もしかして失業したとか。でなきゃなんであんな張り切っているの? 赤ちゃんが可愛くないのかな」と話したこともあった。種田晃太郎(向井理さん)の独立話にくぎを刺すような動きも見せるなど、“ブラック”な一面を見せてきた。

 SNSでは、「ユースケ・サンタマリア、無意識にモラハラをやっちゃう系の上司を完璧に演じてる」「嫌な上司感がすごい」「目が笑ってなくて超こわい」「不気味な圧がうまい」などと話題となっている。

 ドラマを手がける新井順子プロデューサーは、役者としてのユースケさんの印象について、「暗いのもできるし、明るいのもできる。幅広いですよね」と話す。第7話のラストでは、「地獄」の文字と、鍋がぐつぐつと煮える映像、ユースケさんの笑顔が意味深に映し出されていた。新井Pによると、「主人公に立ちはだかる壁となる人」で「最大の敵」になるという福永。今後もどんな顔を見せてくれるのか期待したい。

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