富野由悠季監督:映画界への恨み明かす「徹底的に無視されてきた」 「イデオン」は「心中するつもりで…」

「ガンダム Gのレコンギスタ」の劇場版の第1部「行け!コア・ファイター」の上映会に登場した富野由悠季総監督
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「ガンダム Gのレコンギスタ」の劇場版の第1部「行け!コア・ファイター」の上映会に登場した富野由悠季総監督

 アニメ「ガンダム Gのレコンギスタ」の劇場版の第1部「行け!コア・ファイター」の上映会が9月14日、国立映画アーカイブ 長瀬記念ホールOZU(東京都中央区)で開催され、富野由悠季総監督が登場した。同作は映画祭「ぴあフィルムフェスティバル(PFF)」の招待作品として上映され、富野総監督は「間違えたんじゃないか? 巨大ロボットものがここで上映されると思っていなかった。本当のことを言うと、当たり前だろ! 25年遅かった!」と“富野節”で語った。

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 映画界について聞かれると、「映画界、映画に恨みつらみしかない。それがあって、やってこられた。巨大ロボットものだって映画だけど、アニメは映画じゃないといわれて、50年過ごしてきた。アニメが一般化したので、僕の言っていることが分からない人もいるかもしれないけど、社会的に評価されなかった。宮崎(駿監督の)アニメから、(世間が)こちら(アニメ)を向き始めた。世間的には映画監督と呼ばれることがない。ガンダムファンだけなんですよ。徹底的に無視されてきた。ガンダム3部作をやった後、実写の声がかかると思ったら、全くかからなかった」と思いを明かした。

 名作「伝説巨神イデオン」の話題になると「作品と心中するつもりでやった。劇中の人間がすべて死ぬのは最終手段。作家としては絶対やっちゃいけない。イデオン以降、作家としてアニメで仕事をできるか分からなかった。自殺するような感覚だった。このままフェードアウトするのはイヤだから、自爆する。ただ、生き延びているからこういう話ができる。こんなの作れないと思うもん。まともな神経だったら作れない」と制作当時を振り返った。

 劇場版「ガンダム Gのレコンギスタ」はテレビアニメ全26話に新たなカットを追加。全5部作として公開される。第1部「行け!コア・ファイター」は11月29日に公開されることが発表されており、第5部の公開時期について「希望としては来年、再来年には……。僕の余命の問題もある」と話し、「何とか目の黒いうちに次回作にいきたい」と意気込んだ。

 「ガンダム Gのレコンギスタ」は、「ガンダム」シリーズの35周年記念作品の一つとしてテレビアニメ版が2014年10月~2015年3月に放送。地球のエネルギー源を宇宙よりもたらすキャピタル・タワーを守るキャピタル・ガードの候補生ベルリ・ゼナムの冒険を描いた。

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