俳優の松重豊さんが10月5日、東京都内で行われた主演映画「ヒキタさん! ご懐妊ですよ」(細川徹監督)の公開記念舞台あいさつに登場。今作が初の主演映画となった松重さんは、終盤のあいさつで「興行成績とか(観客)動員とか、あまり意識せずにこの世界にいたんですが……」と切り出すと、「学生時代、三谷幸喜さんと一緒に芝居をやっていまして。今ほどあの男が腹立たしい感じで……目の上のたんこぶのように『記憶にございません!』というのがあるんですけど」と、映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)でも3週連続首位を獲得するなど好調な三谷さんの最新作の名前を挙げ、「なんとか三谷幸喜をここでぶっつぶしてやりたいなと!」と冗談めかして語りつつも対抗心をあらわにしていた。
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松重さんは、映画初主演作が公開された気持ちを聞かれると、「映画には百何十本と関わってきたんですが、だいたいクランクアップの日に台本を破り捨てる。取っておいて悪用されたら怒られるんです。(ただ)この作品は昨日まで宣伝活動に携わっており、台本をかばんの中に入れている日々が続き、だんだん台本に愛着が湧いてきまして……」と明かし、「本当は今日破り捨てるつもりだったんですけど、僕の棺おけに入れてもらおうかなと思います」と思いを語った。
舞台あいさつには、北川景子さん、濱田岳さん、山中崇さん、伊東四朗さん、細川監督も出席。松重さんは撮影中のエピソードとして、「(北川さん演じる)サチがものすごくいとおしい存在になるんですね。そのいとおしさはスタッフ全員で共有していて、北川さんに気に入られようとするスタッフが多かった。その北川さんが、クランクアップの1日前に先に終わられたんです。僕一人のシーンが最終日に残っていたんですが、スタッフ間で怒号が飛び交い始めたんです。(北川さんが)いなくなると途端にうまく機能しなくなるという……。僕らの中では“サチロス”と呼ばれていました」と明かし、笑いを誘っていた。
映画は、作家のヒキタクニオさんのエッセー「ヒキタさん! ご懐妊ですよ」(光文社)が原作で、年の離れた妻・サチ(北川さん)と仲良く暮らしているヒキタクニオ(松重さん)が主人公。子供は作らずに夫婦二人で生きていくと決めていたが、ある日、サチから「ヒキタさんの子供に会いたい」と言われる。それをきっかけに“妊活”を始めるも、なかなか結果は出ない。クリニックでの検査の結果、不妊の原因はヒキタ自身にあることが判明する……という内容。
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