丸山隆平:「大江戸グレートジャーニー」“綱渡り”の主人公に共感? 「毎年、今年がピークやなと思う」

丸山隆平さんが主演を務める「連続ドラマW 大江戸グレートジャーニー ~ザ・お伊勢参り~」のビジュアル
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丸山隆平さんが主演を務める「連続ドラマW 大江戸グレートジャーニー ~ザ・お伊勢参り~」のビジュアル

 人気グループ「関ジャニ∞(エイト)」の丸山隆平さんが主演を務めるWOWOWの連続ドラマ「連続ドラマW 大江戸グレートジャーニー ~ザ・お伊勢参り~」が6月6日から放送される。時代劇への出演は約13年ぶりで、主人公でかつては江戸の中で最強の賭博師と呼ばれた辰五郎を演じる丸山さんは、“その日暮らし”の主人公と自らを重ね、「“綱渡り”のところは同じだな、と思います」と共感する。丸山さんに辰五郎の役作りや共感する思いなどを聞いた。

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 ◇役作りでブラックジャックも体験 

 ドラマは、第38回日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞した映画「超高速!参勤交代」で原作・脚本を担当した土橋章宏さんと本木克英監督が再タッグを組んだエンターテインメント時代劇。文政十三(1830)年、賭場で多額の借金を背負った辰五郎(丸山さん)は、お伊勢講のくじに当たり、長屋の代表としてお伊勢参りに出発。途中で出会った代参犬(飼い主に代わってお伊勢参りをする犬)の翁丸、少年の三吉(斎藤汰鷹=さいとう・たいよう=さん)、訳ありな美女・沙夜(芳根京子さん)と、ひょんなことから家族のふりをすることになる。一方、殺し屋で借金取りの菊佐(山本耕史さん)と子分の六助(加藤諒さん)が辰五郎を追っていた……というストーリー。

 約13年ぶりの時代劇への出演となった丸山さん。時代劇については「前々からやりたいなと思っていました」と明かし、「過去に、幕末と戦国時代を舞台にした作品で出演させてもらって、味をしめていたんです(笑い)。だから、今回やらせていただけるのはうれしかったですね」と喜んでいる。演じる辰五郎は、大事な金も博打(ばくち)でスッてしまう“ダメ男”だが、情にもろく憎めないキャラクター。そんな辰五郎を、丸山さんは「なぜか許せてしまう、不思議な人間力があるやつやなと思いました」と表現する。

 賭博師を演じるため、昨年12月のクランクイン前には、ブラックジャックなどを楽しめる場所を体験したという。「ブラックジャックが遊べるところで、ゲームをしてみました。過去にカジノも競馬も行ったことあるけれど、ハマるということがなかったんです。だから、彼がどこに魅力を感じているのか……。もちろん生計を立てるため、ということもあると思うけど、賭場の空気が好きだから行っている部分も必ずある。そこから(辰五郎を)作り始めました」と明かす。また、演じる上では辰五郎の“粋”な部分を大事にした。「台本をいただいてから、彼の美学や美徳を意識して生活する、ということを心掛けて過ごしていました」と振り返る。

 劇中では、歯切れのいい江戸弁も披露する。「現代っぽい言葉と江戸っ子なまりみたいな言葉がミックスされていて、若い人たちにも見てもらいやすく、上の世代の方々にとっても懐かしい空気感になっていると思います」と手応えを明かす。江戸弁に違和感はなかったといい、「標準語のほうが違和感あるかも。(江戸弁は)快活さ、ノリのよさは、ちょっと関西のノリに似ている気もする」と丸山さん。「『辰五郎ならこう言うかな』という思いが、話を追うごとに増えていって。(せりふが)磨かれていくのを感じました(笑い)」と語る。

 謎の美女・沙夜と共に旅をする辰五郎。沙夜を演じる芳根さんについては、「めっちゃすてきな女優さん」と絶賛する。丸山さんは、芳根さんが土屋太鳳さんとダブル主演を務めた映画「累 -かさね-」(佐藤祐市監督、2018年)や連続ドラマ「チャンネルはそのまま!」(北海道テレビ放送)を見ていたといい、「完全に“芳根ファン”になっちゃっているんですけど(笑い)」と楽しげに語る。

 「コメディーや喜劇って難しいんですよね。でも(芳根さん演じる沙夜は)ちゃんとコメディーができる人のリアクションなんです。器用、才能というだけじゃなくて、ちゃんと現場の一個一個を歩んできている人なんやな、と思いました。ずっと一緒にいて、汰鷹と3人でほんまの家族になった気持ちにさせてもらった。その後味がすべてじゃないかなと思います」と晴れやかな表情で話す。

 ◇毎年「今年がピーク」と思う

 ドラマは“お伊勢参り”がテーマだが、「辰五郎自身は、神様とか信じていない」キャラクターだ。演じる丸山さんは辰五郎とは対照的な考えを持っているという。「僕個人としては、こういうことって大事だなと思っています。必ず行く神社仏閣もありますし……。辰五郎とは、そのあたりは真逆ですね。目に見えないものはきっと存在するし、感謝ということを忘れないために、そういう場所があるんだなと思っています」と自身の考えを明かす。

 そんな丸山さんが、辰五郎にシンパシーを感じるところは? 丸山さんは、「綱渡りなところ」と意外な答えを口にした。「この仕事も水商売ですから、その日暮らしといえば、その日暮らしなんですよね」と丸山さん。「毎年、確定申告のときは『今年がピークやな』と思うようにしています」と気を引き締めているという。

 「アイドルといっても、CDセールスはいつまで保たせてもらえるか分からない。配信の時代、サブスク(サブスクリプション)の時代なので、そこに順応していかないと、とも思うし、CDが豊かな時代ギリギリにデビューできてよかったな、とも思う。そういう“綱渡り”のところは同じだな、と思います」と辰五郎と自らを重ねていた。

 ドラマは、6月6日から毎週土曜午後10時にWOWOWプライムで放送。全6回で、初回は無料放送される。

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