三石琴乃:私と「美少女戦士セーラームーン」 25年以上愛され続ける 劇場版アニメ「Eternal」に懸ける思い

「美少女戦士セーラームーンEternal」に出演する三石琴乃さん
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「美少女戦士セーラームーンEternal」に出演する三石琴乃さん

 武内直子さんの人気マンガが原作のアニメ「美少女戦士セーラームーン」シリーズの新作劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」の前編が1月8日、後編が2月11日に公開される。1991年に原作の連載がスタートしてから約30年にわたり、ファンを魅了し続けている名作。アニメでセーラームーン/月野うさぎを演じる声優の三石琴乃さんの代表作でもある。三石さんに「美少女戦士セーラームーン」への思いを聞いた。

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 ◇うさぎを演じていなかったら今の私はここにいない

 「美少女戦士セーラームーン」は、1991~97年に少女マンガ誌「なかよし」(講談社)で連載された人気マンガが原作で、テレビアニメも1992~97年に放送された。ドジで泣き虫な月野うさぎが、愛と正義の美少女戦士に変身し、仲間の戦士たちと活躍する姿が描かれている。

 うさぎを演じる三石さんは、さまざまな作品にも出演してきた超人気声優だが、「美少女戦士セーラームーン」は、初めての主役だった。それだけに特別な思いがある。

 「大きな作品で大きな役。月野うさぎちゃんを演じていなかったら今の私はここにいない。ほかの役との出会いもあったかどうかも分かりません。大切な役です。『美少女戦士セーラームーン』がここまで長く愛されているのは、私の力だけではないですし、作品として多くの人の心に刻まれているからだと思います」

 約30年にわたり、うさぎを演じる中で、「美少女戦士セーラームーン」の魅力をどのように感じているのだろうか?

 「夢、恋、変身、戦いなどたくさんの宝石が詰まった宝石箱の3段重ねのようです。女の子らしく……という枠から飛び出しているところはセンセーショナルでした。うさぎちゃんは、主人公だけど、最初は戦士としての自覚が足りません。怖い!と逃げてしまうところもあります。勉強もできないし、運動も苦手な女の子が変身してセーラームーンになる姿は目が離せません。子供たちは、絶対的味方に感じてくれたのかもしれません」

 「美少女戦士セーラームーン」は1997年にいったん、連載、放送は終了したが、2012年に始動した20周年プロジェクトの一環として「美少女戦士セーラームーンCrystal」が制作されることが発表された。「Crystal」の第1、2期が2014~15年に配信され、第3期が2016年に放送された。スタッフ、キャストは新しいアニメを作ろうとしている、一方で変わらないものもある。

 「1990年代にテレビシリーズが終わって、新たに動き出すとは、夢にも思っていませんでした。『Crystal』は、原作準拠のアニメです。1990年代のアニメをリスペクトしつつ、新しいものを作ろうとしています。ただ、うさぎちゃんは、ドジでおっちょこちょいで泣き虫なところは変わりません。そこは変えないように気をつけています」

 ◇大きなスクリーンで見るのはやっぱり特別

 劇場版アニメ「Eternal」は、第4期「デッド・ムーン編」が前後編で描かれる。第3期「デス・バスターズ編」に引き続き、今千秋さんが監督を務める。「美少女戦士セーラームーン」「美少女戦士セーラームーンR」などのキャラクターデザイン、作画監督を担当してきた只野和子さんがキャラクターデザインを手がけ、原作者の武内さんが監修する。「デッド・ムーン編」は、エリオス、アマゾネス・カルテット、アマゾン・トリオなどの人気キャラクターが登場する人気シリーズだ。

 「4年ほど前に第3期の収録を終え、その直後は第4期のことは分からなかったんです。しばらくしてから、劇場版になるというお話があり、劇場版!?と驚きました。セーラー戦士たちが大きなスクリーンで活躍する姿を見たい気持ちもありますが、第4期はボリュームがあるので、映画という決められた尺でどう描かれるのだろう?と想像できなかったんです。『美少女戦士セーラームーン』は、日常生活の何気ない会話も魅力的で、そこで彼女たちの個性も描かれるので」

 「Eternal」では、少女たちの日常もしっかり描かれている。

 「うさぎちゃんが小さくなり、ちびうさちゃんが大きくなるところが可愛いですよね。小さくなったうさぎちゃんがダボダボの服を着て、まもちゃん(地場衛)としっとりした会話をするところが可愛いですし、大きくなったちびうさちゃんとダイアナの関係もほほ笑ましいですね」

 前編のアフレコは2019年10月に行われた。後編のコロナ禍のアフレコは、密を避けて、最少人数で行われているが、コロナ禍前だったこともあり、セーラー戦士たちがそろってアフレコに臨むことができた。

 「久しぶりにみんなで集まったので、元気だった?と声を掛け合うところから始まりました。みんなが集まることが、うれしくて、それぞれが身につけているセーラームーングッズで盛り上がっていました。今、大人向けのセーラームーングッズがたくさんあって、どれも可愛いんです。片っ端からゲットしています。普段は身につけても自慢する機会はないですし、みんなで集まる時は、見て!見てこれ!と見せ合ったりしています(笑い)。アフレコでは、第4期ということもあり、みんな自分の役をしっかり演じていました」

 「美少女戦士セーラームーン」の劇場版は名作ぞろいだ。昨年12月にNHKが実施した企画「全美少女戦士セーラームーンアニメ大投票」のエピソード部門で、1993年公開の「劇場版 美少女戦士セーラームーンR」が首位に選ばれたことも記憶に新しい。「Eternal」が劇場版も三石さんらキャスト、スタッフ、そしてファンにとって特別な作品になりそうだ。

 「大きなスクリーンで見るのはやっぱり特別ですね。『美少女戦士セーラームーン』を好きな人と一緒に見られるところも特別です。セーラー戦士たちそれぞれの表情のアップがすてきで、額に入れたいくらいです。前編は、ちびうさちゃんとエリオスのドキドキする淡い恋、4戦士の葛藤が描かれています。あれ、うさぎちゃんは?となるかもしれませんが、後編で大活躍します。まもちゃんの超格好いいシーンもあります。ぜひ、前後編合わせて見てください!」

 「美少女戦士セーラームーン」の魅力が凝縮された「Eternal」は、ファンにとって大切な作品になるはずだ。「美少女戦士セーラームーン」は終わらない。これから先も40、50年……と愛され続けていくのだろう。

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