アイドルグループ「HKT48」の森保まどかさんのフォトブック「HKT48 森保まどかラストフォトブック スコア」(KADOKAWA)が、5月26日に発売された。グループの本拠地である福岡でオールロケ撮影された本作には、さまざまな衣装を身にまとい豊かな表情を見せるカットのほか、初挑戦したエッセーなども掲載。完成度を「100点満点です!」と自信たっぷりに話す森保さんに、撮影エピソードや見どころ、直前に迫ったグループ卒業に向けての心境、今後について聞いた。
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フォトブック発売発表の際、「アイドルとして過ごした私の10年間がたっぷり詰まった一冊です」とコメントしていた森保さん。「仲の良い卒業生からは『卒業発表してから実際するまであっという間だよ』『秒に感じるよ』みたいなことを言われていたのですけど、私はそんなことなくて」と切り出し、「フォトブックの撮影も最後のシングルのミュージックビデオ撮影やレコーディングも卒業を発表してからだったので、“最後”とつくもの全部をしっかりかみしめることができました」と“集大成”に向けて一つずつ実感を積み重ねてきたと話す。
場所やシチュエーション、衣装に至るまで森保さんの希望が詰め込まれたというフォトブックだが、中でもこだわったのはやはりピアノ。「やっぱりファンの皆さんが『ピアノを弾いているまどかの姿が好き』と言ってくださることが多いので、ピアノを弾いているカットは絶対に入れたいと思っていました」といい、「ドレスアップしてピアノのステージっぽく撮ったので楽しんでほしい」と自信をのぞかせる。
さらにHKT48劇場での撮影は「歌って踊ってレッスンしている姿を写真にちゃんと収めたことがなかった」ことから実現し、「ちょっと新鮮だなと思うし、劇場にはこだわりたいなと思いながら撮影しました」と森保さん。私服での撮影は「作り込まずに普段通りのリハーサル着で撮ってもらいました」とコンセプトを明かすも、「私服は握手会や写真会でお見せする機会はありましたが、こうやってフォトブックに収めるとなるとちょっと照れくさかったかもしれない」と照れ笑いを浮かべていた。
初挑戦したエッセーについて、森保さんは「テーマを最初から決めて書いたわけではなく、普段考えていることや頭の中にあることを文章にして、あとでこれはこういうテーマがふさわしいかなと感じたタイトルをつけていきました」と創作の過程を説明する。
10個あるテーマのうち「ファンの皆さんに向けて書いた『アイドル』」は最後に執筆したといい、「撮影中に言葉が思い浮かんできて、終わったあとに少し落ち着いて整理して書き上ました」と話し、ファンへの思いを詰め込んだことをうかがわせる。
森保さんと同じ1期生や7人組ユニット「Chou」のメンバーが友情出演しているほか、互いに宛てた直筆の手紙も掲載。「一人で撮影していてみんなと合流した時は『ただいま』みたいな気分になりました」と笑顔を浮かべ、「初めて一緒に撮影する子もいれば、今までずっと“相方”として一緒に撮影していたなっちゃん(松岡菜摘さん)のような子との撮影は、『最後なのかな』と思い感慨深くなりました」と語る。
また手紙については、「(手紙を書くと普段より)素直になれるし、言葉にすることによって気づくことがあります。そんな『自分はこう思っていた』といった発見もありつつ、改めて思うこともありつつという感じで書きました」と明かした。
10年間のアイドル活動を振り返り、数ある思い出の中から特に印象深いものを聞くと、「初めてのコンサートが日本武道館だったこと」という答えが。
その理由を、「右も左もわからないのに360度ステージで、(方向や位置の指示が)東西南北でくるのですが、まったく経験がない状態だったのでやるんですけど、『北』とか『南、見切れている』と言われても分からなかったですね(笑い)」と説明。「全然分からなくてテンパりながら臨みましたが、それでも楽しく感じられたし、なにより成功したことが良かったなって。思い出深いですね」としみじみ語る。
自身のアイドル活動については、「この世界に入って良かったなと思います。入る前では芸能界から縁遠くて、周りの子たちはアイドルに憧れてとかAKB48が好きでという理由で目指していたメンバーが多かったのですが、私の場合は親が応募していたので、最初はちょっとアウェー感みたいなものがありました」と振り返り、「アイドルをやっていくうちにアイドルが好きになっていきました」と笑顔を見せる。
グループ卒業について、改めて思いや心境を質問すると、「卒業発表に関しては『やっと言えた』『すっきりできた』という気持ちがわりと大きい」といい、「それを聞いて驚いてくれる方が意外に多かったのにびっくりしました。まだまだいけるなって思ったぐらいです(笑い)」とちゃめっ気たっぷりに話す。
続けて「もう本当にたくさんいろいろな経験をさせてもらえて、アイドルとしては悔いがないなと思って決断したので、清々しい気持ちで今はいっぱいです」とすっきりした表情を見せるも、「実際に卒業したらもっとそういう気持ちになるかもしれないけど、10年続けてきたから絶対にロスもあると思います」と複雑な胸の内を明かす。
卒業後の“進路”に関しては、自身のツイッターで「卒業後の予定は未定です」と投稿していたが、卒業後にやってみたいことは「アルバイトです」と教えてくれるも、どんなものをやるかは「内緒です(笑い)」と森保さん。芸能活動の可能性には、「また戻ってきたくなったらやるかもしれませんが、とりあえずは少しお休みして様子見たいなと思っています」と神妙は表情で話した。
最後に、森保さんにとってHKT48とはどのような存在だったのか……。「卒業したあとHKT48にいて良かったなと思えるようなグループであってほしいなと思います。それをすごく期待しています」(取材・文・撮影:遠藤政樹)