ドラゴンボールDAIMA
第6話 イナヅマ
11月18日(月)放送分
人気アニメ「プリキュア」シリーズの生みの親とも呼ばれる東映アニメーションの鷲尾天プロデューサーが6月26日、なかのZERO(東京都中野区)で講演会「アニメーションと多様性」を開催した。中野区の男女共同参画週間の一環で、鷲尾プロデューサーは、シリーズを通して多様性を描いてきた「プリキュア」の誕生秘話、変化の歴史、未来について語った。
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「プリキュア」シリーズは、普通の女の子がプリキュアに変身し、さまざまな困難に立ち向かう姿を描くアニメ。第1弾「ふたりはプリキュア」が2004年2月にスタートし、現在は第18弾「トロピカル~ジュ!プリキュア」がABCテレビ・テレビ朝日系で毎週日曜午前8時半に放送されている。長く続く人気シリーズではあるが「2003年くらいに企画を始め、当時は誰もこんなに続くとは思っていなかった」という。
「純粋にお子さんが楽しく見てくれればいいなと、それだけだったんです。日曜朝に女の子向けのアニメをやることになり、やった!と思ったけど、女の子向けのアニメのことを知らなかったし、何をやっていいか分からなかった。分からないから、やりたいことをやろうとしたんです。『ドラゴンボールZ』などの西尾大介監督に『アクションをやりたい!』と相談したところ『分からないけど一緒にやるよ! うまくいかなかったら、ごめんなさいと謝って、逃げようよ』と言ってくれた。開き直ってやったんです」
当時の企画書の一部も公開された。企画書には「ふたりはプリキュア」の有名なキャッチコピー「女の子だって暴れたい!」が書かれていた。
「王子様が助けにくるのはやめようと監督を話しました。自分で解決する。その時に、一人よりも仲間がいた方がいい。バディーものということで、“ふたり”になりました。男の子らしく、女の子らしくという言葉は使わないようにしました。ただ、今とは状況も違いますし、番組を始めた時にそのことが話題になったわけでもなかったんです」
第1弾「ふたりはプリキュア」は大ヒットし、「プリキュア」はシリーズとして続いていった。しかし、順風満帆だったわけではない。
「私は『ふたりはプリキュア Splash Star』が大好きだったのですが、視聴率、商品の売り上げがうまくいかなかった。愛着があり、このキャラクターで2年やるつもりだったし、やりたかった。当時、『オシャレ魔女 ラブandベリー』が世間の話題をさらっていたんです。関係者の皆さんと相談して、賭けに出ました。変えましょう。ダメだったら、『プリキュア』をやめましょうと。そうして『Yes!プリキュア5』が始まりました。平等でリーダーがいなくて、自分のことが言えるチームが強いということを意識しました」
ピンチは何度もあったが、変化しながら乗り越えてきた。2015~16年に放送された第12弾「Go!プリンセスプリキュア」では、プリンセスというモチーフを取り入れた。放送中の第18弾「トロピカル~ジュ!プリキュア」は、海とコスメがモチーフになっている。
「なぜプリンセスか? 身も蓋もないことを言うと、前の年に『アナ雪(アナと雪の女王)』が流行したから(笑い)。『プリキュア』でプリンセスなのか?と時間をかけて話し合いました。『強く、優しく、美しく』がテーマになりました。これは気持ちの問題です。美しい気持ちを持つことです。階級社会のお姫様ではありません。『トロピカル~ジュ!プリキュア』は、コスメでメークしますが、人によく見てもらうためではなく、自分を鼓舞するためのメークなんです」
「プリキュア」は“女児向け”アニメとジャンル分けされているが、第1弾から「女の子らしく、男の子らしく」という言葉を使わないようにするなど多様性を大切にしてきた歴史がある。2018~19年に放送されたシリーズ第15弾「HUGっと!プリキュア」では、初の男の子のプリキュアが登場したことも話題になった。
「子供が楽しんでくれるのであれば、スタイルを変えても構わない。男の子、女の子を分けないでいい時代がきていて、アニメもそういう分け方をしなくなるかもしれません。そういう時代が目前になっています」
講演会の最後には、2005~06年放送の第2弾「ふたりはプリキュア MaxHeart」の最終回の名場面が流れた。世界が崩壊する中、ボロボロになった美墨なぎさ(キュアブラック)と雪城ほのか(キュアホワイト)が、宿題や卒業文集、アサリのみそ汁などについて語り合い、力では支配できない自由な心や日常の大切さに気付き、立ち上がる名場面で、「当時見ていた子供は分からないかったとしても、いつかこの気持ちを思い出してくれるかもしれないという思いがありました。子供の記憶力はすごいですから」と話していた。
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